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込山洋一

冷たい手のひら

松山から高知に向かう列車から。
車窓をみかんの木と瀬戸内海がゆっくり流れてゆく。

朝松山を発つ前に、メンバーの実家に立ち寄った。
タクシーを待たせて、ほんの数分だけ。
せっかく松山まで来たので、息子が元気で頑張っていることと感謝を伝えたかった。

玄関が開くと、東京駅の雑踏で会っても、すぐに本人の父親とわかるくらいソックリで、背筋がピンと伸びたお父さんと、聡明でやさしそうなお母さんが迎えてくれた。

タクシーの中でいろいろ言葉を考えていたのに、その場になると、元気でやっているけど寝る時間も惜しんで頑張っていると、かえって心配をかけるようなことを言ってしまった。

年老いた両親の手のひらを両手で包むと、少し冷たくて、 ふいに鼻の奥の方が熱くなった。

11 18, 2015

ここにしかない風景

週が明けた月曜日。
新幹線で新山口に向かっている。

今日から、山口、鳥取、岡山、愛媛、高知、香川、大阪を10日間掛けて回る。
各都市の学校グループの親分や経営者との大事なミーティングが控えているので、常に最高のパフォーマンスを出せるように万全の体調管理が欠かせない。

そんなことで、体調を整え、しっかり英気を養うために、この週末は僕が生まれ育った町、香川県高松で弟が経営する宿「望海荘(ぼうかいそう)」を訪ねた。

屋島の山頂に建つこの小さな宿は、10室ほどのすべての部屋から、国立公園に指定されている瀬戸内の島々と高松の夜景が一望できる。

この部屋から眺める夕陽に真っ赤に染まる瀬戸内の風景は、僕にとって、雄大なグランドキャニオンにも、ギリシャの丘から眺める真っ青な地中海にも、燃えるようなワイキキの夕陽にも、はたまた豪快なイグアスの滝にも圧勝の大好きな風景だ。洗い立てのシャツのように心を洗濯してくれる。

良いのか悪いのか、この屋島もそうだけど、望海荘はもっとマイナーなので、多くの観光地のように人で溢れることも無い。僕は移動と人と会うことが日常だから、ここに来た時にはただただ海や島々を眺めてゆったり過ごす。

食事は地元の有機米、讃岐牛、瀬戸内の魚や海苔を使ったシンプルな料理。
立派に美味しいけど、ふつう。それで良い。東京から腕の良いイタリアンのシェフを雇うか、相談を受けたこともあったけど、ターゲット層の多くのお客さんは、寿司もフレンチもイタリアンも天婦羅も贔屓の店は決まっている。そういう店に敵うはずも無いし、勝負する必要も無い。この宿は、東京のどんな名店もホテルも持っていない風景を持っている、そいつ一本で勝負すべきだと助言したことがある。弟に通じたかわからないけど。

そうそう。この宿を訪れるもうひとつの楽しみは整体。
伊藤さんと古味さんという整体名人がいて、東京や関西からも整体を受けるために毎月来てくれる常連がいるくらい。とにかく上手い。そして泣くほど痛い。僕は疲れがたまると、背中が丸くなって呼吸が浅くなるのだけど、みっちり2時間施術してもらうと、青年のボディと入れ替えたみたいに軽くなる。歪んだ姿勢は整い、呼吸が深くなるから目覚めも爽快。

またしばらく全開で戦える。

11 15, 2015