熱い茶を飲もう

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10月12日の夜。

息子の剣道の帰り道、ウィンドウを小雨が濡らした。洗車をした当日に久しぶりの雨だ。草木はさぞ喜んでいるだろう。その後も雨は勢いを増していった。

はてさて。一泊二日でサンディエゴに出張に行ってきた。

昨日の朝出発したのだけど、メールの返事を書いたりしていたら、いつもよりほんの10分遅く出発しただけなのに、110フリーウェイの渋滞で出ばなを挫かれ、405フリーウェイは最初から渋滞。オレンジカウンティを抜けるまで2時間近くも費やし、サンディエゴに着くのに3時間近くかかってしまった。これ、いつもより40分くらい余計にドライブしたことになる。

幸いアポイントには支障はなかったけど次回はもうちょっとゆとりを持って出ねば。

いきなりしびれる話を書いたけど、うれしい出来事があった。

「あなたがコミヤマさんですね」

ランチで入った高級住宅街のラホヤの寿司店。メンバーに紹介してもらった、少し緒形拳に似たオーナーシェフは、懐かしいような親しみのこもった笑顔でボクを眺める。

初めて会うはずなのにどうしてだろう。

「ワタシはオサガワセ(創刊時の名称)の頃から知っているんですよ。

20年近く前だったなあ。ガリ版刷で。とにかく個性的だったからよく覚えてる。それまではゲートウェイとブリッジくらいしかなくってねえ(注:実はブリッジUSAの創刊はライトハウスの半年後)。

当時ワタシはラスベガスで握ってて、時々ロサンゼルスに仕入れにいってはヤオハンでピックアップしてたんですよ、オサガワセをね。

それがライトハウスになってピックアップの度に確かに厚くなっていく。当時、ワタシもいろいろキツかったけど、オタクが分厚くなっていくのを見て、ああ頑張ってるな、やってるなって。よし!オレも頑張らなくっちゃって勇気づけられたもんですよ」

話し切ったTさんは少し照れくさそうに視線を落とした。ボクは心の中で手を合わせてお辞儀をした。こういう方たちにライトハウスは支えられている。同時に、浮沈の激しい異国の地で、お互いにフィールドがちがっても生き抜いていることに強い連帯感を感じた。

「冷たいスーパードライ一本!」

は喉まできて止めた。まだ昼だから。

「すみません、お茶いただけますか・・・熱いの」