体温は120℃

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「血圧も下がってるし、数値は全体によくなってますよ」

昨日、主治医に、健康診断の結果を褒めてもらったところまでは良かったのだけど、インフルエンザの予防接種がいけなかった。

夕方あたりから、クシャミ鼻水鼻づまり、目はショボショボ、喉は演歌、頭は宇宙遊泳状態でまともじゃない。

今朝はさらにウィルスの勢力が拡大していたが、勝手に暴れさせておくしかない。

友人との夜の会食は延期してもらって、教育事業部のメンバーとのパワーランチにパワーを集中した。

このパワーランチは、前から決まってただけじゃなく、メンバーと僕との数少ない交流の場。

とくに今日は、夏の研修シーズンを終えたばかりのメンバーたちを労ってあげたかった。

事前に、社長が用意してくれたメンバー全員の成長(している点)や近況、活躍ぶりがぎっしり綴られたメモも頭に入れてのぞんだ。

弁当が届き、会長室でテーブルを囲むメンバーたち。

研修続きでさぞ疲れていると思いきや、表情はみな明るく爽やか。ランドセルから、100点満点をもらったテストを今にも出さんとする子どもみたい。

そんなメンバーの口から出て来るのは、日本の仲間やお互いへの尊敬や感謝の言葉、未来に向けての改善改良の話ばかり。

身内を褒めてしまうと、彼らは未熟であっても、素晴らしい人間性を持っている。

人を思いやる気持ちが豊かで、愛情を持って仕事をしている。だから問題が大問題にならないし、多くの方たちに力になっていただけているのだと思う。

そんな彼らに今日はさらに注文をつけた。

「商品開発は、トップダウンではなく、もっとアメリカ主導、メンバー主導で、自らが創るという自覚を持って。

自分たちの手で創る唯一無二の価値、だれにも追いつけない価値を創造し続けよう。

顧客の声に耳を傾けるだけでなく、顧客の想像を超えるものを創造するんだ」

「メディア、教育事業、ユートピア、3つの事業が、これからどこの都市に進出しても、どこの国に勝負に出たとしても、いかなる地でも通用する組織にするには、それぞれの事業と商品をもっともっともっともっと磨かなくてはならない。磨き上げた本物はどこでだって通用するから。

そして、同時に、万が一にもこの組織が潰れてなくなることがあったとしても、どこからも引く手数多で通用するみんなでなくてはならない。どんな時代でもどんな場所でもどんな環境でも通用するオレたち。だから磨くんだ。個人も、商品も、会社もピカピカに」

「僕の中では、教育事業も、メディアも、方法がちがうだけで、やろうとしていることを全部いっしょ。目的は、人の人生の選択肢を増やすことだし、人生の到達点を高くするということ。世界中で、人が活躍できる世の中を創ることだ。迷ったら、社是に帰ればいい。答えはいつもそこにある。

最後に、日本や世界を変える人材を、政治に、企業に、研究に、教育に、アートに、音楽に、美の世界に、あらゆる分野に輩出するには、毎年10万人に、僕らが関われる仕事をしたい。

10万人を50年間続けたら、500万人になる。日本で税金を払う人の10人に1人くらい影響できる頃には、日本も世界も前に進める力になるよ。

オレたちはそういう仕事をしてるって自覚を持とう。そういう自覚と、目の前の1人の学生を、(灯台の灯りのように)魂を込めて導くこと、それが両輪だ」

ランチが終わる頃には、体温が120℃くらいになって、ウィルスはかなり死滅していた。