寄り道

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11月25日の夜。

日本でのメンバーの結婚式と出張の帰り道、台湾に寄り道した。

1泊の短い滞在だったけど、市場を歩き、電車に迷い、屋台をはしごする楽しい冒険だった。

若い頃から心掛けていることだけど、出張に限らず、時間の許す限り、人に会い、足を伸ばすことにしている。

出張であれば、ほんの少し「その先」まで遠征して、その街を歩き、その街の人から話を聞く。

多くの都市では、その街で発行される日本語メディアを訪ねて、その街の様子や日系社会の現状を訊ねる。

何が流行っているのだろう、
どこの移民が幅を利かせているのだろう、
ライトハウスのメディアや教育のビジネスモデルが通用するだろうか、
先入観をできるだけ持たずに歩き、そして目を凝らす。

外に出て、世界を歩くと、自分たちのコミュニティや立ち位置も立体的に見えてくる。頭の中の地図が広く、深くなる。

事業は、経営陣が持つ「地図」の広さだけ、可能性も広げられるものだと思う。

事業の領域を選択する時(あるいは人生の選択の時)、それ(そこ)しか知らないからそれを選ぶのではなく、広い選択の中から、自分にフィットするもの、人生を賭けるに足るものを選びたい。

とりわけ僕が教育事業を通して、若い人たちに伝えたいポイントだ。

少し台湾のことに触れよう。

台湾の一番の印象はとにかく人が親切なこと。

日本、中国、韓国、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、僕が知るどのアジアの国より“親切人口”密度が高かった。

英語はあまり通じなかったけど、ホテルマン、通行人、タクシードライバー、車掌、サーバー、店員さん、、、思い浮かぶ人たちみんながみんな親切で温かかった。

偶然かも知れないけど、これだけ揃うと確信になる。

屋台のおばちゃんは、よくしてくれたのでチップを置こうとしても、決して受け取ってくれなかった。そんなことは当たり前だという表情で。

道を尋ねたネクタイの青年は、僕のメモの英語表記を漢字に直してくれたうえに、スマートフォンでダブルチェックまでしてくれた。

タクシーのおじさんは、信号の度に質問に筆談で答えてくれた。また日本への感謝を表してくれた。

そういうひとつひとつのシーンが旅を豊かにしてくれる。

素で、お・も・て・な・し、なんだなあ。

もうひとつの印象に残ったこと。

仕事中に食ってる人が多い。

屋台でフライパンを振りながら食べてるのは当たり前。店員さんが食べている光景をふつうに見かけた。

空港の家電の店では、制服の若い女の子が口いっぱいに何かを頬張っていて、思わず笑ってしまった。

空港と言えば、荷物をチェックする係官の真剣な視線の先は、モニター画面ではなく、掌の中のFacebookだった。

友だち申請しようかな。