冷たいプールに飛び込もう

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土曜日の早朝。

たまたま側にいたので受話器を取ったら日本のお袋だった。

クリスマスプレゼントありがとうで始まったけど、明日受ける健康診断がいかに大変なことか、

(40年前から聞いてるけど)心臓に爆弾を抱えていて医者が心配していること、

(100万回くらい聞いた)私は長生きはできないと思うけど心配せぬようにという決まり文句、

別れたダンナ(親父ですなあ)がいかに横着であったかという思い出し怒り、

その後は長くて覚えていないけど、北朝鮮の批判に話が及んで、最後はスッキリした様子で電話を切った。

朝から宝くじを当てた気分。

毎年師走はそうだけど、20日あたりまで慌ただしい日が続く。

人事考課や次年度の経営方針、採用の計画、それに加えて、編集は年末進行、国際教育事業部は100名を超える大型研修が目白押し。。。

(あんまり言うと、お袋の遺伝子を忠実に継承していることがバレるからこのくらいにしよう)

そんな中、昨夜はSkypeで日本とつないで高校生に講演をした。

そもそも人前でしゃべるのが苦手なうえに、ちっとも成功していないのにバカ面をさげて語るのは恥ずかしいことだから、何度も講演を引き受けるのは止めようと思った。

それでも、目の前の学生たちが目を輝かせるのにふれる度、こんな発展途上の自分の話でも、若者のハートに火をつけられるなら(恥を忍んで)一生懸命伝えようと今日に至っている。

昨日は2つのことにしぼって話した。

ひとつは、能力に関係なく「決め(決断)」は誰にでもできること。

能力には個人差がある。

だけど、決めることは誰にでもできる。

「ネガティブな言葉を使わない」「ネガティブな発想をしない」「常に前向きに生きる」

「知らない世界に飛び込む」「石橋でなくても走って渡る」

とりわけ大切な「決め」は、どんな時も「一歩前に踏み出す」こと。

それは、冷たいプールに飛び込むのと似ている。

能力のある人、持っている人は、考え過ぎて飛び込めないことが多い。

僕はけっこう平気で飛び込める。「決め」だけでできることだから。

冷たいプールに飛び込むことはリスクだけど、行動を起こさずに、居心地のよく見える場所で10年も20年も浪費することはもっとリスクだ。

もうひとつは、いろいろな道(生き方)があること。そしてそれは、まず思わなくては実現しないってこと。

有名な大学に入って、有名な企業に入ること。

それを否定する理由はどこにもなくて、とても素晴らしいことだと思っている。僕の多くの友人もそういう道を歩んできて、尊敬すべき人生を送っている。

だけど、選択肢がそれだけではないことも知っていて欲しい。

生きる道は、今地球に存在するだけど60億通り以上ある。

暮らしたい国も、就きたい仕事も、いっしょに働く仲間も、自分次第で選ぶことができる。

2つの国に同時に暮らしてもいいし、一生に3つの国で暮らしてもいい。
(一生に4人も5人もパートナーが変わるのはどうかと思うけど)

でも、それを頭の中で「そんなのできっこない」「そんなの理想だ」と思った瞬間に可能性はゼロになる。

自分の天井を勝手に決めないこと。

自分と自分の未来を、他でもない自分自身が一番信じてやってほしい。

だからキミたちは海外に飛び出すのだっ!

そんなメッセージを贈って、オジさんは友の待つ酒場へ車を走らせた。