来客に感謝しつつ

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「客の多い家は栄える」と親に言われて育った。

栄えるかどうかはともかく、一年中公私に来客が絶えることがない。仕事の関係も含めると日本からだけで100組はゆったり越えるだろう。

家族が里帰りしていたこの2週間の間にも、慰めや冷やかし、偵察を含めて4組の客が入れ替りでゲストルームに寝泊まりしてくれた。泊まらぬ客も2日空けずに方々から訪ねてくださる。

ありがたいことである。人生のヨロコビであり最高のゼイタクだと思う。

逆に訪問者からは「日本にいらした時にはぜひお立ち寄りを」「日本に来たら絶対に顔出せよ」と声をかけていただく。

本当にうれしい限りで、願わくばすべての方たちを訪ねて歩きたいのだけど、現実には数日間の滞在、あっという間に会食から埋まって行き、夜の会食を二階建てにしてもとても追いつかない。結果、ほとんどの方たちに知らせずに日本を後にすることが多い。

ホテルに帰るタクシーに突然「来てるんだって!」の電話には、うれしさと申し訳なさとバツの悪さが思い切り混在する。

大切と言えば、みな大切な関係だし、とても順番なんてつけられない。
もっとゆとりを持って日本に来ればと言われるけど、アメリカでの時間にゆとりがある訳ではない。

そんなことで今は不義理に身を縮めつつ、いつか仕事をすっかりメンバーの任せてしまえる身分になったら、ゆっくりと時間をかけてお世話になった方や大切な仲間を訪ねて歩きたいと思っている。

訪ねて歩くと言えば、来年からは合間を見て海外の日本語メディアとのアライアンスにチカラを入れたい。

世界中のメディアと協力して、世界各地の暮らし方、働き方、学び方に関する精度の高いタイムリーな情報が日本、あるいは世界中のどんなところでも居ながらにして得られる環境を創るのだ。

もうひとつは日本各地の個人や零細企業が、実力のある商品やサービスを持っていたら、回り道をせずに海外に進出できるような情報インフラを創りたい。

今この瞬間はガレージやボロボロの雑居ビルで命をつないでいるけど、将来トヨタやグーグル、リクルートになれるような企業を見出し、土台踏み台になれたらどんなに豊かだろう。

やっぱり、仲間をゆっくり訪ねて歩けるようになるのはずいぶん先になりそうだ。