50歳の息子

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日本出張の合間、ほんの12時間の滞在だったけど、高松でのミーティングの後、弟と実家に一泊した。

実家では、母親はテーブルに乗り切らないほど料理をこしらえて待っていた。

元気な顔を見せることもそうだけど、今回は運転が怪しくなってきた母親に、運転を“卒業”してもらうよう説得することも目的だった。

個人差はあるけど、73歳の母親の運転(運動神経)は圧倒的絶対的に信頼できない。本人はもちろんだけど、他人様を巻き込むような事故を起こしてからでは取り返しがつかない。

とくに日本では狭い道路に、トラックも自動車もバイクも自転車もいっしょに走っているのだ。そしてそのすぐ脇を歩行者が歩く。

そうでなくても制限速度を大幅に下回る速度で走る軽自動車、(あろうことか)追い越し車線をふらふら走る自転車、今回も地方都市で高齢者の目を覆うような行動を目の当たりにした。近頃は、高齢者の高速道路の逆走が巻き起こす事故も珍しくない。

そんなことで、母親に命を大切にして欲しいこと、他人様を巻き込むことは許されないこと、さらにはその決断は後世に語り継がれるべき勇断であること(ココにとくに響いた)、とにかく言葉を尽くして説得した。

その甲斐あって、来月の車検のタイミングで自動車を手放すことと、電動アシスト自転車をプレゼントすることで気持ち良く受け入れてくれた。 必然性というより気持ちを汲んでくれたのだろう。

翌朝、母親の気持ちが変わってないことを確認して、その場でヤマハの最新のモデルを注文した。

遠足のような弁当を持たされ、玄関に立つと靴がきれいに磨かれていた。50歳になっても息子は息子だ。