穴を開けないで

NO IMAGE

昨日は夕方に健康診断に行ってきた。

前回の検査の時は怪しい数値が出たようで、「もう一回検査を」が5回くらい続いて、結論から言うと問題なかったのだけど、一年余り病院に「再」検査で通うのは楽しいものではなかった。

そんなことで、今回はドクターを変えて、ちょっとおっかなびっくりで臨んだ。

この日は血液や尿検査の他に、試験薬を飲んで胃の検査もトライ。
すぐに結果が出るのはありがたいけど、さっそく「ピロリ菌」が見つかってしまった。

名前だけ聞くと、笛を吹く妖精のようなイメージだけど、そういうものではないらしい。胃癌のリスクがウンと高くなるそうで、若い女の先生に胃カメラも飲んでおいた方が良いと言われた。

胃カメラはすでに学生時代にデビュー済みだけど、あの時は順番を待つ自分の前で、オバさんが嘔吐(えず)いては暴れるのを、看護婦に押さえつけられてカメラを飲まされるのを見て、自分までいっしょに身悶えて、そのうちに裸足で逃げて帰ろうかと思った。

記憶は甦る。そうか、また受けるんだ。

ついでに“痛かったジマン”を披露すると、同じく学生時代のラグビーの試合で、よその選手と顔面から激突して頬骨を複雑骨折したことがある。あの時は激痛だけでなく、冷凍庫に入ったみたいに体温が急激に下がっていくのがわかった。

だけど“魔法の水”をかけると起き上がるとみんな信じているから、ビショビショになってもヤカンの水をかけ続けられた。芽が出るくらい。

この話にはオチもついている。

後日、医者が顔の骨が折れていないか確認するために、鼻の奥の骨に穴を開けて、そこに細いカメラを差し込んで頭蓋骨の内側からレントゲン写真を撮ると言う。

「マジですかっ」

くわっと目を見開いた。

で、撮影。

「クシャッ」

痛くはなかったけど、その音で気が遠くなった。

撮影後、レントゲン写真を前に医者が解説をしてくれた。

「ほら、ここ。これ複雑骨折ですよ。こりゃ酷い」

(がーん)

「先生、どうしたらいいんですか!」

「いやあ、包帯巻いたりギブスを充てるわけにもいかないから、放っとくだけですなあ。そのまま」

じゃあ開けるなよ、穴!!(怒)