小さなメディアにできること

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明日から日本出張。

木曜日の会議に出席するためなのだけど、土曜日の日本語補習校の運動会は娘にとって最後の運動会。ちょっと後ろ髪をひかれている。くくくっ。

もう先週の話だけど、ニューヨークでナンバーワンの日本語情報誌「NYジャピオン」の社長新谷さんの紹介で、これまたハワイのナンバーワン「アロハストリート」の社長上野さんと始めてお会いした。

新谷さんはハワイでも情報誌を発行しているから、ある意味で上野さんとは競合になるのだけど、こうやって気持ち良く紹介してくれる新谷さんの懐の広さがスバラシイ。

上野さんはロサンゼルスで開催されるコンベンションへの参加に合わせてライトハウスを立ち寄ってくれた。

日本の広告業界に長く携わっていた上野さんは、実に戦略的に自社媒体を日本の在住者にむけてPRしている。

またウェブと誌面(紙)の特性を良く分析していて、広告商品としても巧みに使い分けていてとても勉強になる。

媒体資料に至っては圧巻。

ライトハウスの媒体資料は良く言えば質実剛健。言い換えたら味も素っ気もない。それがアロハストリートのそれは見やすく、わかりやすく、とても洗練されている。
もう周回遅れ。いや10年遅れか。その週の幹部会議で、媒体資料の近未来化プロジェクトを走らせることに。

いや上野さんには訪問いただいたうえ、すっかり勉強をさせてもらった。

半日いっしょに過ごしただけだけど、穏やかでやさしい語り口の奥にある芯の強さを感じた。素のままで肩にチカラが全然入ってない。そのうえアタマがシャープ。カッコいんだなあ。この人とも将来接点がありそう(いや、あってほしい)

これまで地元アメリカを始め、中国、東南アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、世界中の日本語メディアのトップと会って来たけど、みなさん個性的で「味」があって魅力的な人が多い。もちろん中には怪しい人や小賢(こざか)しい人もいてそういう人とは静かにスバヤク距離を置くけど。

多くの他地域の経営者とは、カバーするエリアが異なることもあり、気軽にお互いの経営課題や失敗談、今後の事業構想などについて意見を交わす。これが実に学びが多く、参考になる。

またボク自身も「ギブアンドギブ」の気持ちで、自分が持っている知識やノウハウは惜しみなく提供するようにしてきた。おせっかいなくらい。

「ギブアンドギブ」の構えで生きているとどうもそういう仲間が集まるらしい。ボクの好きなメディア仲間はみなそういう人たちだ。だからアタマに汗を流そうとしない「価格破壊系」「誹謗中傷系」「土下座乱発系」のメディアはまわりにいない。みんな直球勝負で、挫けそうになっても自分や夢を諦めない経営者ばかりだ。

ボクの後半の人生のライフワークのひとつは、世界中の「直球系」日本語メディアでアライアンスを組んで、標準化された形で、世界各地での働き方、暮らし方についての情報が得られる環境を創ることだ。

例えばそれは、ライトハウス誌上の連載「アメリカで働く」(様々な職業に就くための要件、適性、収入などの情報を、実際にその仕事に就いた日本人へのインタビューを通して紹介するコラム)の世界各地版が見ることのできるホームページの開設。

もっと具体的に言うと、

アメリカで弁護士になって移民を助けたい、ブラジルで農作物の品種改良の研究をしたい、フランスでファッションデザイナーになりたい、中国で医者になって貧しい人を救いたい、インドでカレーのチェーン店を開きたい。

その「なり方」を標準化された情報で世界中に発信したい。

これまで多くの日本人にとって「ありえなかった発想(選択)」を、情報のチカラで無限の選択肢にまで広げたい。

情報のチカラで人と夢との距離を縮めたい。

人と憧れをショートカットでつないでみたい。

住みたい国での、やりたい仕事の就き方が、どんなに田舎にいても、どんなに貧しくても得られるようになれば、(また直接、人と企業をつなぐ環境があったら)10年後、50年後、100年後の日本人は世界中で当たり前に笑って大活躍しているだろう。

それがボクたちにはできる。

一社一社は小さな日系社会の小さなメディアだけど、実はすごい可能性を秘めている。チカラと想いを重ねたらきっとすごい世の中を創ることができる。