週末のワイン

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今年は雨が少なかったせいか、毎年春になるとパロスバーデスの丘一面を黄色に染めるマスタードの花が例年より控えめだ。

そのことは少し寂しいけど、もう一ヶ月もすると、桜にも似た青紫色の花が可憐なジャガランダ(ブラジル産)が、南カリフォルニアのストリートを鮮やかに彩り、夏がもうそこまで来ていることを知らせる。

大好きな季節の到来だ。

それにしても、ついこの間、初詣に行ったと思ったらもう一年の三分の一が過ぎようとしているのだから時が経つのは早い。

早いと言えば、いつの間にか渡米21年目。日本よりアメリカの方が長くなっていた。小学校の頃は、教室の時計を睨んでもあんなに時間が経つのが遅かったのにどういうものだろう。

ありがたいのは、少年時代も笑って過ごしたけれど、あの頃の未来の「今」が一番楽しくて幸せなことだ。大好きな仲間と大好きな仕事をして、大好きな人たちに囲まれて、今、こうして健康でいられる。不満をこぼしたらバチがあたる。

さて、先週も慌ただしい一週間だった。

先週に限らず、日本や州外から来客のない週はないけれど、先週はそれに輪をかけて「来客ラッシュ」で、まるで難易度の高いパズルを埋めるような一週間だった。

昼に夜に訪ねてくださるゲストと会食をしたり、ミーティングをしたり、はたまた取材を受けたり。

こちらは年間の数百の来客のひとつでも、相手にとってはそうではない。決してガッカリさせないよう、期待以上であるよう、結果としてライトハウスやLCEを信頼してもらえるよう、ひとりひとりの方と真剣に向き合うようにしている。

その合間をぬって、日本との取締役会(LCE)、アメリカ側の幹部会(LCE)、ライトハウスの経営会議が入る。これに通常の勉強会と、新人向けの営業勉強会2回を実施。

日帰りのサンディエゴ出張では、(LCE が移転して、別々の事務所になったので)両方の事務所に顔を出し、終日クライアントへのあいさつ回りに同行する。サンディエゴ版がもっと地元の方たちに支持していただけるよう様々なアドバイスをいただき感謝。

一昨日の金曜日はちょうど版入日で、メンバーの仕事が終わるのを最後まで見届けたかったけど、あと30分で日付が変わるあたりで電池が切れてオフィスを後にした。編集長の川嶋を筆頭に、編集や制作のメンバーはまだ最後の追い込みをしていた。いや、ありがたい。

そして静かな週末。

いつもは5時半過ぎに起きてメールのチェックで始まるけど、土曜日は7時過ぎまで寝て、息子のサッカーの試合を観戦してから、スーパードライを1缶飲んでイイ気持ちでまたベッドにもぐった。

おかげで、昼にはカラダもすっかり軽くなって、午後は息子と夕飯の食材の買い出しに行ったり、公園でサッカーのミニゲームをゼイゼイしながらやった。

夕食の後は、応援している地元のオーケストラ「アジアアメリカシンフォニー」のユースのコンサートに家族で出かけた。

素晴らしい演奏に導かれて舟を漕いでいたら、息子に肘で突かれて起こされた。せっかく気持ち良かったのに。それでも最後はスタンディングオペレーションの拍手喝采で大満足で帰宅した。

コンサートの余韻を楽しもうとワインセラーから赤ワインを出したところで、友人の石川夫妻から電話。

「近所まで来ているから寄ってくよ」

おぉ、深夜のうれしい来客。すぐに冷蔵庫のチーズを切って、二人が来るのを待った。

石川夫妻は、このブログにも何度か登場しているけど、去年地中海に日蝕を見るためのクルーズの旅を共にした親友。高津家同様、20年近いつき合いになる。

「カンパーイ」

一週間しっかり働いた週末に仲間と交わす酒は格別うまい!

とくに、心身ともにタフだったり、心の底でザラつくことがあったり、ホロ苦い出来事を乗り越えた時の方がうまいような気がする。

今週はそんなことばっかりだったからワインと仲間の思いやりが沁みた。