質実剛健でいこう

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金曜日の午後9時、臨時取締役会のすべての議題が終わった。
奥村先生と山崎は引き続き管理部門の会議を続け、明日日本に帰る高畠とボクはヨレヨレのカラダで一足先に料理屋ののれんをくぐった。

「かんぱーいっ!」(ガツン)

経営方針、新年度の事業計画、商品設計、取締役会、どれを取っても納得のいく議論ができた。すべてにおいて「ユーザー」が主語で優先順位をつけられたと思う。5カ年計画は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

高畠と夢を語る。

「近い未来に全国ネットのテレビコマーシャルを出せるようになりたいなあ、カッコいいやつ!」

高畠のリクルート時代の同僚や家族、友人、ボクの学生時代からの仲間が茶の間で指を差して驚いたり喜ぶシーン。

日米のLCE のメンバーや、ライトハウスのメンバーがいっしょになって喜んでくれるシーン。

家内の両親、親父や、再婚した母親夫婦が目を細めてテレビを凝視するシーン。

娘や息子たちが目を丸くするシーン。

みんなの顔を想像するだけでワクワクする。

高畠と映像のイメージをふくらませる。
なんだかステキな映像になりそうだ。

どんなに疲れていても、夢を語るとエネルギーが満ちてくる。

ライトハウスに背中を預けられる腹心やメンバーがいるように、高畠、奥村先生、竹内、それに続く今のこのメンバーたちがいたら何だってできる、空だって飛べる、そういう気持ちになる。

「創業からありえない豪華メンバー。これ以上ない世界一の布陣」

自画自賛し合う。だけどホントにそうだ。 たぶん、このメンバーが揃ったのは奇跡以外ありえない。

「ボクらがいつかバトンを渡した後も、50年後、100年後、200年後のメンバーの時代も、どんな市場環境になっても、決してブレない会社を創ろう。世の中の規範になれるような会社、世の中を前に動かせる会社を創ろう」

明日の心配をする脳味噌はない。

「どんなに景気が良い時代も、業績が良い時期も、うまい話や浮ついた投資に決して飛びつかない。泡銭(あぶくぜに)を追いかけたり、ルーレットの一点張りのような一発勝負を絶対にしない。一方で、景気が悪くても、業績が悪くても、大きなトラブルに巻き込まれても、決して動じることなく、常に創意工夫と改善に努め、すべての逆境を血肉に変えられる企業風土を残そう」

カネを追いかけない。ユーザーの笑顔とありがとうを追いかける。

「何年か苦しい時代が続いても社員を守れる備えを常に蓄えておこう」

備えあれば憂いなし。

「どこまでも大きくなろう。でも大きくなることより強くあることに重きを置こう。ブレない経営、ブレない会社。いつの時代もコツコツ謙虚で。質実剛健でいこう」

そう、LCEもライトハウスも、質実剛健でいこう!

質実:飾り付けなくまじめなこと
剛健:たくましくすこやかなこと