底冷えのする剣道場から

NO IMAGE

もうすぐ午後8時。
トーランスにある息子の剣道場で書いている。やや腰が冷える。

今日は午後の5時から、東京、京都、大阪、そしてロサンゼルスの事務所の4拠点で、スカイプを使ってLCE(ライトハウスキャリアエンカレッジ)の遠隔経営会議を行った。いや、ホントに便利でありがたい時代に事業をさせてもらっている。
これがいちいち会っていたら1年の仕事が10年かかる。否、10年の仕事が一年でできると言おう。

会議では、手狭になった日本橋のオフィスの移転や、就職のための登録サイトの公開、採用の計画、予算の承認、業界大手との業務提携、日米の就業規則、LCEとライトハウス間のコンプライアンス、決めねばならぬことが山ほどある。どれも手が抜けない大事なことばかりだ。

何とか午後7時20分に今日の議題をすべて終了。
車を飛ばして息子の剣道が始まる7時半ギリギリに道場に到着。

家内とは路上でバトンタッチする。家内はそのままトンボ帰りで娘が留守番する家に帰る。ボクは家内に貰ったおむすびを道場の前でかぶりついてひとまず充電。ハラペコのままだと道場で気を失うからね。

それにしても考えてみたら、家内に限らず、こっちの多くのお母さんは、朝から晩まで学校や習い事の送り迎えばかりしている。自分のことは後回しで、イヤな顔もせず黙々と運転手を務める。世のダンナは忙しいと言っても、そこは飲んで憂さ晴らしもできるけど、お母さんのガス抜きの場は限られているからストレスもたまるだろう。まして働くお母さんならことさらだろう。世の中のお母さんの肩をもんで回りたい。

話を道場にもどそう。

出張や会食が入っていない剣道の夜は、こうしてお母さんたちに混じって、ノートブックを持ち込んで仕事するのが常だ。オフィスも良いけど、こうして環境が変わるとかえって良いアイデアがでたり、捗(はかど)ったりする。たまにお母さんたちとしゃべるのも違う世界を知ることができて楽しいもんだ。

ガラスの向こうでは竹刀(しない)の音が激しく響く。

年末の世界選手権の準決勝戦で、アメリカ選抜チームが、40年以上無敗だった日本選抜チームを破ったもんだから、主力選手のほとんどを出した名門トーランス道場の盛り上がりはすごい。

剣士もそれを見守る親たちもいっそう熱が入る。

先生や運営するお母さん、みんな手弁当のボランティアだから頭が下がる。本当に先生や先輩たちが良く面倒を見てくれる。礼儀も指導してくれるし。おかげで息子は剣道が好きでしょうがない。

こうして送り迎えはたいへんだけど、トーランス道場で剣道を習わせてもらって本当に良かった。感謝している。

そう言うボクは、スケジュール帳を眺めると、3月まで道場に来てやれる日がほとんどない。あと一日返事待ちの会食が決まったら、1月23日から2月末まで、会食や出張など用事が入っていない(週日の)夜が一日もないのだ。

来週は日本からの出張者。再来週はサンフランシスコ、その翌週はボストンとニューヨーク、2日空けて日本に飛んで、3月3日の息子のリトルリーグの開幕に間に合うよう帰ってくる。

どの出張も、業務提携や大切なプレゼンテーションが控えていて一分の隙もない。すべてが未来を拓くための大切な勝負だから全力投球!

一方で、日本のパートナーたちもそれ以上に身体を張って頑張っている。ライトハウスやLCEのメンバーも同様だ。手を合わせたくなるくらいみな頑張ってくれる。

朝、元気で起きられるだけで幸せなのに、こうして大好きな仲間と、大好きな仕事を(オマケに大好きな土地で)できる幸せに心から感謝。毎日を大切に全力で生きたい。

そうそう、1月から4月にかけて、どっちの会社も頼もしいメンバーが続々と合流する。

ライトハウスには3名入社。営業や編集に配属される。みな面構えが良い。将来のライトハウスや日系社会を担っていくメンバーだ。

LCEには、幹部社員から新卒まで7名が入社する。これから会うメンバーも含め各分野のエキスパートが多い。みな引く手数多(ひくてあまた)の「人材」なのに、大手企業ではなく、このLCEを選んでくれた。ライトハウス同様、多様な背景と価値観を持つメンバーが集まり、新しい企業風土を醸成していくのが楽しみだ。

彼らが会社を創っていく。彼らと社会を創っていく。