秋の大運動会(遅報)

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前々回のブログで運動会のことを書いておいて結果を報告してませんでした。

西大和学園補習校の今年の秋の運動会メインイベント(ホンマかい)「教員、学生選抜、父兄対抗リレー」はキッチリ優勝して幕を閉じた。

6人チームでボクはアンカー。1番でバトンを受けて、1番でテープを切ることができた。足が軽いこと、2年ぶりのテープの気持ちが良いこと。

初めて顔を合わせる即席父ちゃん連合チームだけど、ゴールを駆け抜けてそのままみんなで手を叩きあって踊りました。「5,6番でバトンを受けて、ジリジリ抜きながらトップでゴール」といういかにも卑しいシナリオを想像してたけど、あまりのうれしさにそんな考えは吹き飛びました。スパイクを持っていった甲斐があったというもの。

数日後、知らない女性に「すごく速かったですね」と声をかけられたりして、晩ご飯の食卓で胸を張ったら、家族に呆れられてしまった。価値がわかっていない。

さて、以前に「困難や問題にぶつかった時こそ、〔そうきたか〕と笑おう」と書いたけど、先週一週間もまた四方八方から「そうきたか」の波状攻撃で、いやはや歯応えのある毎日だった。

今年はビザや家庭の事情といった、当人や会社の努力ではどうにもならないことで、編集や営業のメンバーを何人か失った。辞めてもらったメンバーもいる。そこに追い討ちをかけて、頼りにしている外部パートナーの帰国や離脱が重なった。

にもかかわらず、採用が追いつかない状態が続いて久しい。こんなにかみ合わないこともめずらしいくらい。

先週は転職サイトのリクナビや、人の紹介で日本から採用予定だった二名の話がポンポンと立て続けに流れた。縁がなかったのだろう。採用計画がまた崩れる。

10月に掲載した業界誌「編集会議」の求人広告の反応もゼロだった。毎日のように履歴書がたくさん届くのだけど手ごたえがない。

そのしわ寄せで、編集や営業の現場でミスやトラブルが頻発する。それをベテランや職人スタッフが必死でカバーする。ミスを重ねるメンバーもいい加減にやっているわけじゃない。一生懸命頑張っている。手加減しているメンバーなんていない。明らかに人手不足によるオーバフロー。責任は経営にある。

あまりのことに営業の柱、片山と呆れ顔で笑った。

「営業、編集。パワーを取っても、スキルを取っても、今が一番どん底だな。そりゃ片肺飛行だもん。

どうしてもミスやトラブルが前面に出るけど、みんなホント良くやっているよ。良く頑張ってる。この状況は絶対にすごく大切な意味がある。

すべては必要必然。これは次のステージに登るための卒業テストやぞ。

思い通りの誌面づくり、思い通りのサービスができんのは歯痒くって仕方ないけど、逆に言えば、これでメンバーが揃ったらとんでもない会社になるぞ。

編集は人の補強も含めて抜本的に立て直そう。ライトハウスの基本は誌面の品質だから。来年は一年かけて徹底的に誌面を強化しよう。これに尽きる。

営業は数字よりもサービスの質。こっちも一年かけて最強チームをつくろう。お客さんとキチンと視界を共有できる、相談に乗ったり、頼りにしてもらえるメンバーを揃えよう。そのためにも採用と教育。次の510年のために今は屈(かが)んでジャンプに備えようぜ」

「社長、これまでもそうだったけど、これからも成長についてこれないメンバーが出てくると思います。今のメンバーにだって柱になっていく人、振り落とされる人の両方出てくるでしょう。それは私も含めてそうで、みんなが成長し続けなくっちゃならない。社長は心配しなくても大丈夫です。何があってもみんなでライトハウスを守りますから」

ボクが出張から帰った直後は、おっかない顔でテンぱっていたのに一人前のことを言ってくれる。

編集制作の責任者、青木も頼もしいことを言う。

「確かに人手もあるけど、人手が足りないことなんて、私が働き始めて十数年の間に何回もありました。大切なのは何があっても向かっていく気持ちなんです。ライトハウスを発行する責任感や使命感がないからつまらないミスが出たり、泣きが入るんです。向かっていけないメンバーはライトハウスに必要ありません」

サンディエゴの大野は、

「今回の特集記事。ロスの進行の見落としで、そのうちの一本が入稿二日前でまったく使えないことがわかったんです。だけどみんなキッチリやってくれましたからね。サンディエゴのメンバーもガッツありまっせ。寝んとでもやりましたよ。ミスでもトラブルでもドンと来いですわ!」

と、寝不足の顔で胸を叩く。

この卒業試験が、何をボクの気づかせてくれようとしているのか、少しずつわかってきた。

そのひとつは、ライトハウスを今日まで支えてきてくれたのは、20勝できるエースでも、60本ホームランを打つスラッガーでもない、(中途入社、新卒含めて)地道な仕事をキッチリこなす叩きあげのメンバーだ。そしてもっと言えば、彼らとライトハウス、彼らとボクを結ぶ心の絆(きずな)だと気づいた。

命にかえても幸せにすべきメンバーだ。