日本出張(後編)

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朝、おっちゃんたちと朝食と温泉を共にして握手で解散。

夕方のミーティングがある大阪へ移動。奥村先生と高畠の三人で新会社設立のための打ち合わせをする。日本での会社設立は始めてのことばかり。知らないことだらけだけど奥村先生は呆れもせずに親切に教えてくださる。

 打ち合わせが終わって、タクシーを飛ばして梅田で商船時代の親友と合流。

去年の同窓会以来。「オマエ、まともなこと言うようになったなあ」褒められているのか貶(けな)されているのか。楽しい再会に焼酎ボトルが3本空に。

 625日(日)

軽い二日酔い。熱いシャワーと水を交互に浴びてサッパリする。お昼は大阪リーガロイヤルホテルでクライアントと会食。経営や新規事業についてアドバイス。熱が入ってあっという間に3時間。

そのまま京都に移動。少し時間があるので、駅ビルの伊勢丹をぶらぶら、夏のジャケットを購入する。その後、高畠ファミリーと合流。長女の朋ちゃんは今春から立命館の大学生、長男の大ちゃんも付属高校に入学。久しぶりの二人はますます逞しく成長していた。会食後、川床のあるショットバーで雨上がりの夜風に当たりながら気持ちの良い時間を過ごす。

 626日(月)

早朝の新幹線で東京に移動。駅弁をかき込みながら日経新聞を斜め読み。

 渋谷に移動して、老舗の専門学校の理事長とミーティング。
残念ながら今期初めて実施する研修は目標参加者数を大幅に割り込んだ。
2期目も集まらなかった場合を聞かれ、その場合は実施できない旨を伝える。学校の温度や取り組みによって参加者数はぜんぜん違ってくる。こっちも命がけ。真剣勝負で取り組んでくれる学校とだけ仕事をしたい。

 次のアポイントまで時間があるのでインターネットカフェに飛び込んでメールのチェック。煙草の煙にクラクラしながら一気に返信。日本ではキンコスやインターネットカフェにずいぶん助けられている。毎回2週間を越える出張でPCを持ち歩かなくてすむのはホントありがたいことだ。でも煙草はそばで吸わないで。

 627日(火)

この日は名古屋へ日帰り。
朝イチ、渋谷に本社を構えるデジタルスケープ社の藤川社長や幹部の方たちと懇談。同社は
CGやクリエーター系の人材会社としては最大手。お互いの事業構想や課題を話し合う。

 その後、名古屋へ新幹線で移動。2つの学校を訪問して東京へとんぼ返り。

日本でマーケティングや経営のコンサルタントとして大活躍されていて、本誌「マーケティングサーフィン」でもお馴染みの阪本啓一氏と新橋で会食。

 「直感を大切に」「心の中の執着やこだわりが視界を曇らせる」「世の中に困ったことは何ひとつない。常識が困っているだけ」「すべては必然。身に降りかかることはすべて意味がある。自分に何を教えようとしているか常に意味を考よう」毎度のことながらたくさんのことを気づかせてくれる。ホテルへの帰り道、心がポカポカする。

 628日(水)

終日ホテルに缶詰になって事業計画書を作成。食べに行く時間もなくてランチはルームサービスで稲庭うどん。

夜は高畠やブレインが集まって事業計画についてのブレスト。議論が白熱して午前3時半にお開き。

 629日(木)

睡眠時間2時間だけど身体は軽い。
日本出張中は気が張っているから毎日
45時間でもへっちゃらだ。

 夕食はニスコムの社長の尾上卓太郎氏と麻布十番で会食。同社は千数百名の技術者を企業に派遣している。経営の話から家族、趣味へと話は尽きない。経営者の視点で今度の事業計画について意見をもらう。二件目はシティクラブで赤ワイン。

 630日(金)

出張最終日。良く今回も元気でやってこれた。ありがたい。

午前7時半、エコライフ研究所の所長でジャーナリストの中野氏と最上階のバフェで会食。ここからの風景は朝から元気にしてくれる。同氏は、ライトハウスの「和僑創生」構想を一冊の本にできないか検討してくれている。日本人がどこの国でも自由に働いたり暮らせる世の中作りに共感してくれているのだ。ブレストの中でいろいろなアイデアが出る。

 荷物をまとめて、少し時間があるので金曜日の銀座を散歩。スクランブル交差点を晴海の方から風が横切る。夏がそこまで来ている。

ちょっと覗いた三越で夏のシャツを見繕ってもらう。店員の男の子が気持ちの良い青年でつい散財。

 ホテルに帰って旧友の青木氏と2階の「インペリアルバー」でサンドウィッチとビールでランチ。青木氏とは、彼が90年代に帝国ホテルのアメリカ事務所の責任者をしている頃からのつき合い。「このホテルの社長になりたいと思って入った」と言い切る根っからの帝国マン。昔から酒を飲んでは、帝国ホテルのホスピタリティや経営哲学について学ばせてもらった。

 昔からの仲間がいろいろな世界で活躍している。
そういう仲間からアドバイスをもらったり、人の輪を広げてもらったりする。本当にありがたい。人は生かされていると思う。努力をするのは当たり前で、自分の力なんてせいぜい
2割か3割。いやもっと少ないだろう。あとは「おかげ」だと年を重ねるほどに思う。

 今回の出張は人生の転機になりそうだ、いや転機にしたい。
充実感とワクワク感で日本を後にした。