食卓

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昨晩は会食のアポイントを一週間まちがえて、図らずも7時過ぎに家に帰れた。

が、家で待っていたのは家族ではなく洗い物。子供たちはスケートや野球の練習でしばらく帰ってこない。運動代わりに腕をまくって夕食の仕度をしながら食器を洗う。キッチンでは作るのも片付けるのも苦にならない。というか、4つのコンロをフル稼働させながらテキパキ料理をこしらえる時、あるいは、どこから手をつけてよいかわからぬようなキッチンが磨き上げられてキレイになる時、自分に酔ってアドレナリンが噴出すほうだ。

でもこれはたまの話。

ライトハウスの読者には仕事や育児に忙しい女性が多い。

私のようにたまにやって胸を張るんじゃなく、当たり前のように毎日料理をこしらえ、片付け、そのうえ掃除や洗濯をするのはたいへんなことだと思う。自分だけでも面倒なのに、家族があったらことさらだろう。そんな合間に読んでもらえるライトハウスだからこそ、心に潤いや元気を提供できるものでありたい。それも、どこかから買ってきたアリモノの記事じゃなく、想いのこもった手作りの記事を贈りたい。

ジャガイモの火が通り、シャキッとサラダが完成した頃、家族が帰ってきて食卓を囲む。平凡だけど尊くて、手に届くけど永遠じゃない。子供たちの他愛もない一日の報告を聞きながら豊かな時間を噛み締める。

この9月から娘は8年生、息子は6年生になる。ふたりとも親元を離れて大学に行きたいようだから、こうして家族4人揃って食卓を囲むのが「日常」であることは5年しかない。7年経ったら、そのほとんどは2人だけのテーブルになる。

そう考えると、仕事がうまくいかなかったり、途方にくれることもあるけど、「今」が一番幸せで、人生の中のゴールデンタイムに立っているんだと思う。大切にていねいに、感謝して生きなくっちゃならないと思う。