仲間へ

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11月10日に全米家電小売り2位のサーキット・シティ・ストアーズがチャプター11(連邦破産法)に基づく会社更生手続きの適用を申請した。

身近なところでも、出張から帰ってきてこの3日の間だけで、仲間のメディアが休刊を決め、また親しくなったばかりの不動産業界の起業家の方がいったん帰国を決めた。直接の知り合いではないけど、現在の社屋を決める前にオファーを入れたビルの持ち主が破産したことを一昨日担当者の知らせで受けた。

薄っぺらな世間の評価に、失敗したら負け組、儲かったら勝ち組という見方があるけど、それはちがう。

失敗も成功もその瞬間を輪切りにした状態であって、その後のベクトルとは関係ない。

世間が失敗の烙印を押しても、そこで得た教訓を余すところなく活かし、バネにして、這い上がろうとするなら、その瞬間は成功へのスタートラインだし、成功とまわりが賞賛しても、危機感を持たず、我が世の春と慢心し、己のチカラを過信したならば、すでに足元は崩れはじめているだろう。

10年以上も前、ボクはある別の会社を畳んだことがある。(いや、失敗を数えたらきりがないんだけど)

気が遠くなる借金の返済、モールの家主さんへの残額の支払いの交渉(というより減額のお願い)、従業員の再就職先のお願い(パートナーが引き受けてくれた)など、閉めるにも莫大なエネルギーとお金が掛かった。そもそも、そこに至るまで、ボディーブローのように毎月ジリジリと負債が膨れ上がっていく。
結局、持ち家を処分して清算した。

あの時、奥歯が食い込むくらい悔しかったし、情けなかったし、まわりに心底申し訳なかったけど、そこで得た教訓は確実に血肉になっているし、バネになっている。

実はその後も懲りることなく、失敗を繰り返すのだけど、順風満帆の時より、失敗や撤退から学ぶことの方がはるかに多い。

ボクの事例など何の参考にもならないけど、世の中の歴史に名を刻むような成功者は例外なく大きな失敗をしている。歴史に名を残さずとも、まわりの偉大な経営者や成功者も必ず一度や二度、いや何回もペチャンコにされている。そしてそこから這い上がったのだ。

「もう歳だから」はちがうと思う。
5年後より、10年後より、今の方が5年も10年も時間を貰えたのだから。

人が何と言おうが、後ろ指を指そうがバカにされようがそんなの関係ない。

今こうして生きていることがそもそも100点満点の感謝で、そのうえにさらに、世の中に自分のことを心配したり、わかってくれる人が、一人以上いたなら言うことないではないか。あとは感謝とヨロコビの足し算だ。生きていたらどこからだってやり直せる。復活できる。

この思いを、いったん退席する仲間に捧げたい。

しっかり充電したらまた頑張ろう、いっしょに!!!ひとりじゃないから。