出張の朝

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2月1日の日曜日、出張の朝。

今日から長期出張。と言っても、今回はアジア(シンガポール、マレーシア)へのリサーチがメインで、日本は親父の新生活の様子を見るために萩を訪ねたらすぐに後にする。

幸い帰国後の親父は、電話の感じだとむしろ元気な様子で「海が荒れてうまい魚を食わせてやれないかも知れん」とあれこれ考えてくれていた。

昨晩は家族で焼肉を食べに行ったのだけど、考えてみたら週末食事に行く時にはいつもその中に親父がいて、もっぱらボクは親父の相手をしていたから、家族4人での外食も久しぶりなら、いつの間にか子どもたちが段取りよく焼肉を焼けるようになっているのにも気づかなかった。あと数年もして、子どもたちが大学に行くようになったら、こんな「ふだん」の夕食も「特別」なものになってしまうだろう。そう思うと、もっと「今」を大切にせねばと思った。

帰宅後は親父の部屋だったゲストルームにぽつんと鎮座した仏像を、思い立ってタオルと歯ブラシを使って丁寧に掃除をした。場所もゲストルームでは淋しいので、ファミリールームの仏壇の横に並べて置いた。夕食後も雑誌や新聞を眺めながら、この仏像の横で酒を飲んでいた親父は、仏像とどんな会話を交わしたのだろう。

朝起きると、昨日の勢いが残っていて、家中の便器を掃除して回った。
手を突っ込んで、感謝をこめながら、スポンジやタオルでピカピカに磨くと、心まで掃除されるような清々しい気分になる。ついでに靴も磨いて終わる頃には身も心も軽くなった。