今できること、今すべきこと

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新聞の一面から「新型インフル感染拡大」の文字が威圧的に飛び込んでくる。

不況に追い討ちをかけるように、豚ウィルスの波状攻撃が、大海に浮かぶ木の葉のような日系社会の経済を直撃しつつある。半年一年の覚悟は必要だろう。

アメリカでの教育研修をもうひとつの生業とするライトハウスでも、わずかこの数日で、直近の日本からの研修が、立て続けに延期やキャンセルになった。事業部の売上がゼロになるかもしれない。

10年近く、地道にコツコツ信用と改善を積み上げて、ようやく事業として上昇気流に乗りはじめた矢先、砂でこしらえた城を波がさらうように、有無を言わせずさらっていく。

報告を受けた時、珍しく動悸が激しくなった。
何ごとにあまり動じないと思っていた自分が不思議だった。オレって弱くて臆病だなあ。

だけど、しばらくすると、心の底の方から大きめでツルツルのゆで卵みたいな「負けん気」がプクリと浮かんできて、腹が固まった。

「来るなら来い、ナンボでも乗り越えて強くなってやる」

試練は会社やメンバーを磨いてくれる。乗り越える度に、パワーアップさせてくれる。

そうだ。むしろ、試練は後で並んでくるより、早めにお迎えしておきたい。お迎えの準備をしなくては。

良いことばっかりの人生なんて有り得ないし、面白みがない。
思い通りに行かないから、乗り越えた達成感を味わえる。

急速に冴えるアタマの中で、ワーストシナリオを思い描き、それに一年間耐えるためのシナリオを書く。まだまだできる工夫と改善。ムダもある。将来の仕込みもできる。

おっと、てめえのことばっかり考えていてはならない。

ピンチの業種のお客さんや、不安に包まれた日系社会にボクらは何ができる。

今できることがある。今すべきことがある。自分たちのことはその後だ。