フジコ・ヘミングさん

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昨晩はライトハウスの20周年記念イベント(第12弾)で、フジコ・ヘミングさんのピアノリサイタルが開催された。

もともと26日のみの開催予定だったけど、世界的なピアニストのイベントに、チケットは発売直後に完売。昨日(24日)は追加公演での実施だった。

どの時期までであったか記憶にないくらいだからそうとう昔のことだろう。コンサートや講演会、日本から著名人をお招きしての大きなイベントは、準備から当日の運営まで自ら陣頭指揮を執っていたけど、いつの間にかすっかりスタッフ任せ。

前日あたりにプログラムをもらって「ここで主催者のあいさつを5分程度で」と説明を受けるのみだ。

ボクが余計な口をはさまなくなってイベントの完成度が高くなったという話もある。

ボクはお膳立てができたところに登場して、慣れないネクタイで挨拶をするのだけど、人前で話すことが大の苦手で、うまく話せた試しがない。

それでも、聴き手の気持ちは多少心得ているつもりで、ボクの話をみなさん聴きにきてくれているわけではないので、長くて3分、なるべく1、2分で舞台の袖に引っ込むようにしている。

伝えるべきことは「感謝」のみ。

結婚式やパーティで長々と語る人を見かけるけど、落ち着きのないボクは10分を超える頃にはカバンから吹き矢を出したい衝動に駆られる。

長いスピーチはカラオケでメドレーを続けて入れるくらい罪が重いからね。

話はイベントに戻るけど、何回やってもお客さんの“入り”を読むのは難しい。

今回のフジコさんや昨年開催した坂東眞理子さんのように1000人の動員に成功することもあれば50人100人の定員を埋めるのに四苦八苦することもある。

過去に遡ると、南こうせつさんをお招きした時には2500人の会場の8割を埋めた。
「コミヤマさん、イベントはたいへんだろうけど赤字を出しちゃいけない。1円でも黒字にするんだ。そうしないと続かないから。頑張って!」気さくな人柄で、経営者視点を持つこうせつさんから学ぶことが多かった。

林真理子さんの講演会では500人の定員が数日で完売した。
大盛況の講演後、熱心すぎるファンが林さんの部屋を探り当てて大勢で乱入したのには参った。

スポーツ系では、プロゴルファーの片山晋呉さんが35家族限定でジュニア・ゴルフクリニックをしてくれた。日本のトッププロによる1対1での直接指導には、子どもよりむしろ親御さんの方が感動してくれていた。

ビジネス系では、本誌に執筆していただいている阪本啓一さんが毎回コアなファンで数百人の会場をギッシリ埋める。阪本さんの知識やテクニックに偏らない骨太な思想は幅広い層から支持を得ている。阪本さんのメッセージは100年後も通用する普遍的なモノだろう。

同じくマーケティングの岩瀬まさみさんは、100人入るライトハウスの2階ホールを溢れさせた。もしも天井が落ちてきたら半分くらい修理代を払ってもらおうかと思ったほどだ。

常連の本田直之さんやその仲間のベストセラー作家のみなさんは、すでに何冊も著書を読んだことのあるファンで数百人の会場が埋まる。2月の和田裕美さん(本誌にて連載スタート!)とのコラボでは参加者からの質問が止まなかったのが記憶に新しい。

この10月には、あの勝間和代さんと本田さんのコラボ、そして評論家の櫻井よしこさんをお招きしての講演会を開催予定。

こんなすごい方をお招きして大きなイベントができるのも、表に出てこないたくさんの支援者の方たちのおかげで、ボクらはそんな「スター」の方たちと、この日系社会に暮らす方たちを結びつける「場」であったり「媒体」に過ぎない。

つくづくシアワセな仕事をさせてもらっていると感謝している。
だって直接、コミュニティのみなさんの喜ぶ顔にふれられるのだから。

話をフジコさんのリサイタルに移そう。

この日のボクの役目は、今回のイベントに協力してくださったことへの感謝の花束を楽屋に届けること。

鳴り止まぬ拍手とスタンディングオペレーション。
アンコールの2曲目が始まったタイミングで一足先に楽屋に駆けつける。

ステージを終えて、楽屋に帰ってきたフジコさんに大きな声でお礼を言って花束を手渡した。

握手したい思ったけど、繊細な音を奏でる大切な指先に触れてはならないと思い直した。

リハーサルから4時間、相当お疲れだろうから、そのまま楽屋を後にしようとしたその時、フジコさんが笑顔で声をかけてくれた。

「大きな拍手をありがとう!」