雑炊人生

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日曜日の朝9時過ぎ。
今朝も早起きして、3ホールだけ歩いてゴルフをして、自転車で山を走って、プールで軽く泳いで、お腹ペコペコで娘と朝食をとった。

ボクが泳いでいる間に娘がこしらえた雑炊とサラダと目玉焼きとバナナとヨーグルトのデザート。美味い。

「食事、傾いてないでしょ」と娘。

彼女は時々日本語が怪しい。

「それを言うなら、食事が偏ってないだな」顔を見合わせて大笑いする。

ふだん、ボクは雑炊やおかゆは口にしない。朝ゴハンの雑炊には少しワケがある。

カミサンと息子が日本に里帰りをしたのが3日前。

これを機会にゴハンの炊き方をおしえてちょうだいと張り切る娘。

夕食後良い気分だったボクは、新聞から目を移さずに米の研ぎ方と水の分量だけ伝えた。

「できた!このボタン押したらいいの?」

チラッと見て、そのとおりじゃと答えるボク。

翌朝、炊飯器を開くと、炊きたて独特のツヤツヤがなく、何かコピー用紙みたいな白。

やな予感。

おそるおそる箸でつまんで口に含むと、芯が残っているというより、芯そのもの。
例えるなら、味のない悲しいパエリア。いや、米風味のロウソクか。

そこで記憶がつながった。
娘が押したボタンは「炊飯」ではなく「保温」だったのだ。

そう、大量に作ったロウソクゴハン。
そのままでは食べられないから、毎食雑炊にしていただいている。

子どもに食べ物の大切さを教えておかねばならないからね。もう意地である。

そうそう、それでもうひとつ娘に伝授したのが雑炊の作り方だ。

いつまで続くんだろう。雑炊人生。