一週間の意味

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9月27日、日曜日の朝。
盛和塾(*1)ロサンゼルスの設立5周年記念の合宿(塾生による経営体験発表)でパームスプリングスに来ている。

昨日(土曜日)は朝6時に自宅を出て8時過ぎに会場のパームスプリングスののホテルに到着。

その前夜はライトハウスの20周年記念イベント(アメリカンドリーマー石井龍二さんの講演会)で、打ち上げを終えて帰宅したのがしっかり午前様だったので、仮眠をとってそのまま出てきた感じ。

それでも、アメリカの塾生でもっとも成功している3人の話を、一時に聴けるこんな恵まれた機会はそうそうないから、一言一句聞き漏らさないように一日中夢中でメモをとった。もう、節分の豆の代わりにダイヤモンドを至近距離から一日中浴びてるような感覚。

日本からも3人の経営者がゲストスピーカーとして駆けつけてくれたけど、そのうち2人は、3人のアメリカンドリーマーの合間にすっかり霞んでしまった。申し訳ないけどメジャーとリトルリーグ以上のステージのちがいだった。

ステージのちがいとは、事業のダイナミックさや売上の規模ももちろんなんだけど、「私、こんなに一生懸命です。苦労しました。褒めてほしいし、認めてほしいのです」といった耳くそみたいな段階を超越して、人格や生き様そのもののスケールの大きさがまったくちがうのだ。

もう、「自分」とか「見栄」とかいった雑味やエグ味が抜けて、「利他の心」(自分以外を思いやり慈悲の心)の中で生きている感じ。そしてなお、ひたすら精進し続けているんだから。

ボクにとって、身近(同じアメリカの塾生)にいるけど、人格も実績も志もすべてにおいて(今は)敵わないお手本を前にして、感謝のダムが決壊しそうになるとともに、ボク自身の謙虚さと努力が足りないことに改めて気づいた。近頃マヌケな顔で人様の前で話す機会が増えたけどだいぶ恥ずかしいぞ。

先週の20周年イベントの吉田ソースの吉田会長、AFCの石井社長、そして今回の3人。日本人でゼロからスタートして、もっとも成功(実業部門)しているアメリカンドリーマーのトップ5(たぶん)に1週間のうちにみんな会って、徹底的に話を聴かせてもらえたことになる。

今このタイミングでまとめて会えたこと、話が聴けたことの意味を静かに考えている。

「創業から20年、がむしゃらに走って最低限のカタチは整ったのう。今がまさに経営の登山口。ここまでひとまずはマジメに頑張ったご褒美に、お前さんと同じアメリカの土俵で大成功した経営者5人とまとめて会わせてあげよう。
大成功した経営者とて、完璧である訳ではない。多くの学ぶべき点と、人としてのあわせ持つ弱さ、脆さ、苦悩の両方を味わい尽くすとよい。
それらを引っ括めて、経営者としても会社のステージも、お前さんはまだ5人の成功者のはるか手前を走っていること。今の延長では到底追いつけないことを、身を持って知るがよい。目を逸らさず、徹底的に己の未熟さ、愚かさを知るがよい」

そんな声が聴こえた。
 

(1*)京セラ創業者稲盛和夫氏の経営哲学を学ぶ経営塾。会員が約5000人。日本を中心に北米、ブラジル、中国など海外も。会員企業の総雇用数は100万人を超え、会員全社の売上総計は20兆円に達する