親の心子知らず

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土曜日の朝のスタバ。出張がない時は朝4時過ぎに起きて、娘をロングビーチにあるスケートリンクに送り届けるのがボクの役割。

近所のスタバの決まった席で、決まったコンセントをつなぎ、決まって一週間の数字の振り返りをここでする。

剣道の稽古でカミサンと息子がいない昨日(金曜)の夜は娘とふたりで夕食を囲んだ。

来年から大学に進学する娘にとって今は最後の追い込み。10月のSAT2200点を取るんだと勉強机で寝込むくらい毎晩遅くまで頑張っている。

一発勝負の日本の受験と違って、アメリカの大学入試は、(私立か州立かで傾向は異なるものの)SATテスト、学校の成績、論文、これに学業以外の活動も加味される総合評価で決まるようだ。

学外の活動といえば、娘はいらなくなった古着を集めて、子どもの施設に寄付する30人ほどのサークルのプレジデントを務めている。

今度みんなでパンを焼いて届けるというので、地元のスーパーも巻き込んで材料をドネーションしてもらい、地元の新聞社にコンタクトして取材してもらったらどうだとアドバイスしたら娘は目を輝かせた。

「パパ、そのこと詳しく聞きたいから一回時間作ってね!そんなこともできるんだね」

娘に頼りにされるのはうれしいもんだ。

「ところで東(海岸)の大学も良いかなと思うんだ。大学院は西(海岸)に戻ってこようと思うけど」

「がーん」

最近までカリフォルニアの大学に進学すると言ってた娘に微妙な変化。

すでに東海岸のいくつかの大学から、申請料も論文も免除するからウチにおいでよと声がかかっているらしい。

こうして食卓を囲める時間もあと僅かなんだと急速にしぼんでいく心。

「まあ自分の行きたいと思うところに行くことだ」

心とは裏腹なことを父親の顔で告げるボク。

彼女がオギャンと生まれた時に、こいつと過ごせる時間は長いようであっという間だろうから大切に過ごそう、真剣に向き合おうと思った。

案の定、黄金時代は瞬く間に過ぎ、あと1年もすれば親元を離れていく。

出張から帰ってくると飛びついてくるはずの娘がいないとボクはどうなるんだろう。

親が子を想う気持ち。

ただただ元気でいてくれたらありがたい。それ以上望んではいけないと思う。

親の心子知らず、なんだよなあ。