Kくんからの手紙

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ガッツのある若者を応援するのが好きだ。
たくさんの方のおかげで今がある自分のライフワークだ。

Kくんから近況報告のメールが来た。

Kくんに出会ったのは2年前。日本の一流と言われる大学にストレートで入学後、理想とのギャップに挫折。前期で休学した直後だった。

その後、紆余曲折を経て、今彼はアメリカの大学に通っている。文字通り死ぬほど学問に身を投じている。水を得た魚のように。

こういう若者が、世界のトップクラスの頭脳と切磋琢磨して、さらに磨き上げられてゆくのだと思う。

また、環境のせいにして、世を拗ねて生きることがいかにつまらないことか、若い彼の生き様を見てつくづく思う。

彼の手紙を匿名で紹介したい。

「おじさん、

いかがお過ごしですか?今年も終わりに近づき、お忙しいことでしょう。
僕の方は、ようやく激動のセメスターも終わりほっと一息しているところです。

恐縮ながら、近況報告をさせて頂きます!
アメリカの生活にも慣れ、少し油断が出てくる頃かと思いきや。。。本当にたくさんの
素敵な出会いに恵まれて、今年も完全燃焼で様々なことを学ばせて頂きました!!

学校では、今後一生付き合いの続くであろう大親友と巡り会い、お互い切磋琢磨、
”本気で”勉学に励むことが出来ました。一日の半分以上を、食べるときも寝るときも
全て実験室で過ごしました。そんな大変な生活でしたが、全く苦ではありませんでした。
むしろ、自ら進んでその生活を楽しむことができました。

その大親友は、僕の心に大きな変化をもたらしてくれました。
というのが、彼はアフリカからのとても賢い留学生で、大変苦労して、ものすごい志で
人生を生き抜いて来た猛者でした。
とても幼い頃に、兄弟、両親を亡くし、それでも心折れずに働いて学費を払いながら学校へ通い、
常に笑顔で努力を重ね、そんな彼の生き様が評価され、国全体から選抜された最優秀者として、
アメリカに渡って来ました。

彼はホントに人間かと疑うくらいの働き者です。そんな彼と出会い、僕は心が震えました!
今までの自分の甘さが情けなくて仕方がなかったです。そして、それからは彼に努力点で負けない
くらい努力すると覚悟を決めました。いい訳無しです。

彼に影響されて、学校でアルバイトも始めました。教授の手伝いや、図書館の受付などです。
自分の身の回りの物くらい、もう自分で揃える力はあるはずです。

彼とは本当にお互いを兄弟のように思っています。

彼と出会い、彼の生き様を知り、とても反省しましたし、同時に今まで自分を支え続けてくれた
方々への素直な”ありがとう”の気持ちが溢れてきました。今まで当たり前だと思っていたり、
ずっと昔からそこにあるから、そこにあって当然だと思い込み、見落としていたものに
気付かされました。それらは、自分にとってとてもとても大切なもので、でもいつ無くなっても
おかしくないものなんだと。

一つ、失礼な態度をとり続けていた家族に対して心からの感謝を伝えました。
また、僕がこうして彼と出会い、さらに多くの仲間と出会い、幸せを感じることが
出来るのは、僕をここまで導いてくださった、僕に様々なことを教えてくださった
方々のお陰なんだ、と実感しました。

おじさん、初めてお会いして僕のつまらない話を聞いて頂いて、
その時に頂いたおじさんからのお言葉は今も強く胸に残り、元気を頂いています。
”どんな人からも、どんな小さなことからも学べる。”
振り返ってみると、おじさんとの出会いが僕のアメリカ生活の、始まりでした。

ありがとうございます。

長々と申し訳ありません。
まだまだ、まだまだ小さい自分です。もっともっとどん欲に学び尽くします。
”誰にも負けない努力”で!

今年も大変お世話になりました。
来年もまた、よろしくお願いします。」

おじさんの頑張りはまだまだ足りないなあと背筋が伸びた。