クリスマスパーティ

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23日の夜は親友家族20数名が集まり、我が家でクリスマスパーティを楽しんだ。

夕方の5時過ぎから集まり、最後のお泊まりゲストに「もう寝ようか」と時計を見た時には午前2時半。あっという間の夜だった。

初顔合わせもあるので、みんな揃ったところでゲスト一組一組を家内とボクがエピソードを交えながら紹介する。

紹介をしながらそれぞれのゲストとの歴史を改めて想う。

ライトハウス創刊の89年から長男の出産までの数年、パートで働いてくれた田山美保子さんは現在アメリカンクラフトの先生。ご主人の最初の駐在期間を終えていったん帰国後、2回目の駐在で家族での永住を決めた。お腹にいた“長男”は今では身長190センチに迫る高校生。中学生の弟もそろそろボクより大きくなりそう。家族4人、みんなでっかい。ちなみにご主人、長男、次男は3人ともライトハウスのソフトボールチームのエースとクリーンアップだ。

石川夫妻もまた89年の創刊の年からのつき合い。当時、中東経験豊富な商社マンだった石川さんは独立して、子どもの時から好きだった天体観測の商品や部品をeコマースで販売する会社を立ち上げた。決して順風満帆な時期ばかりではなかったけど、ピンチを乗り越える度に経営力が強化され、現在ではヨーロッパ、アメリカを中心に世界中に顧客を抱える。元早稲田のラガーマンで、山登りの仲間であり卓球のライバル。一昨年は日食を追いかけて、地中海のクルーズをいっしょに参加した仲間dだ。

高津ファミリーも創刊当時からのつきあい。根っからの技術屋で、何でも自分の手で作るし直してしまう。7年前に技術系専門の人材会社TWIインフォテックを設立した。偶然だけどふたりの子どもがうちのチビ(娘と息子)と誕生日がそれぞれ一週間ちがい。毎年のように家族や男同士でキャンプや山登りをしている。この数年はおたがいに忙しくってなかなか登れていないけど。

久保さんはガーデナの旅行会社トラベルオリエントのオーナ夫妻。競争の激しい業界で創業23年目。ライトハウスの一番長い広告主であり、10数年も前になるけど、いっしょに事業に投資をして大失敗もした仲。「ちっとは出世したけどアンタは昔からちっとも変わんないね」と言ってくれる。

余談だけど、その事業の失敗の後始末は自宅を売って乗り切った。あの経験が、毎月ジリジリ数千ドル、数万ドルと積っていく赤字経営の恐ろしさを学ばせてくれた。

思えば、ボクの社会人前半戦(20代、30代)は失敗の連続だった。とくに「儲かる」から手を出したものはことごとく失敗。

回り道をしたけど、帰ってきたのは自分が一番大好きな出版と教育。もう「勉強」はこのくらいでねと尻拭いをしてきた家内。

話を戻すと、ここまではみんなボクよりおっちゃんの友人。

もう一組はボクよりちょっと若い早川夫妻。早川さんは自転車競技の元日本代表のアスリート。現在は「牛角」(米国)の社長であり、300人以上の多国籍軍の親分だ。やわらかい話から経営の悩みや夢を本音で話せる数少ない仲間のひとり。公私に自分が身を引き、人に譲る姿勢はボクのお手本。

尊敬できる仲間がいて、その仲間それぞれとの歴史があること、調子が良くても悪くても変わらない人間関係があること、それって実はものすごいシアワセであり財産なんだよなあと心の中で感謝した。

一年頑張ってきて仲間と分かち合う酒は一番うまい。二日酔いの朝、とっておきの酒の空瓶が転がっているのを発見してさらに滅入る反省を活かし、この日はみんなが酔っ払う前に「森伊蔵」を投入した。みんなうまいうまいと飲んでくれる。

ボクがカウンターに入り、男仲間がカウンターを埋める。

みんな業種業界はちがうけど経営者。良いことばかりではなかった一年を振り返る。日本の不景気、中東の緊迫、ガソリンの高騰、サブプライムローン、世の中の暗い出来事が人々の生活を圧迫する。ヒトの暮らしが圧迫されると我々の経営にも直接間接で余波が来る。

だけどボクらは挫けない。

90年代2000年代、バブル崩壊も、ロス地震も、湾岸戦争も、ロス暴動も、同時多発テロも、キッチリ経営を直撃してきたけど、その都度乗り越え、這い上がってきたからね。足腰の強さがちがう。

いい気持ちに酔っ払ってからはガレージに会場を移し、卓球のダブルストーナメントを開催。ボクは密かに本気で優勝を狙っていたのだけど、卓球小僧の石川さんと72歳の黒田バアちゃんの合計120歳フルムーンコンビに決勝戦で敗れた。優勝と準優勝の賞品を入れ替えておくんだった。

おしまいに、全員でビンゴゲームをやった。子どもだけでなく、オトナもみんなガッツポーズや万歳をして全身で喜び、コブシを握って悔しがる。

心地よい酔いの中で仲間との夜は更けていく。
分かち合う相手がいて、シアワセは実感できるんだと気づいた。