オランダからの友人

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週末、オランダのアムステルダムに駐在する友人の江川さんがロサンゼルスに遊びに来てくれた。

アスリート系の江川さんとは、彼がNTTの駐在員としてロサンゼルスに赴任した(お互い20代であった)90年前半からのつき合い。

彼がニューヨークに転勤するまでの間、二人でカナダの国立公園(バンフ―ジャスパー間)を自転車で走破したり、ペルー、ボリビアの都市や遺跡を出たとこ勝負で旅したりした。

また近郊では、ホイットニー山を登頂したり、はたまた映画「パピヨン」の舞台でも有名なサンフランシスコ沖アルカトラス島からのレース(競泳)に出場したり(この時ボクは漂流して救助された)、メキシコや方々の自転車イベントに参加したりしていっしょにカラダを動かしてばかりいた。

その後も転勤先のニューヨークをボクが訪ねたり、奥さんをもらって新婚旅行で来てくれたり、日本で家族いっしょに食事をしたりして親交を重ねてきた。

そんなことで久しぶりの再会は昔話や互いの近況に花が咲いた。

江川さんは現在オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの3国の支店長をしていて、なんだかエラく広い範囲みたいだけど、ブルッセル(ベルギー)までは車で3時間、ルクセンブルグまで5時間くらいの距離感の中で仕事をしている。

今日は彼に聞いた現地の愉快な話を披露してします。生活者の話なんで、ガイドブックにはなかなか出て来ない。

まずオランダ人がでっかい話から。

180センチを超える江川さんもオランダでは埋没してしまうくらいでかい。

その理由には二つの説があるそうだ。

ひとつは土地が低いから、海水に浸っても顔を出せるようにするため。

もうひとつは、肉をよく食べる国なので、牛に使った成長促進剤が人間にも効いているから(という説)。ちょっと怖い。

続いてはベルギー人が作った、ケチで有名なオランダ人がどのくらいケチかをあらわす逸話。

二人のオランダ人が食事をして、どっちが勘定を奢るか決めるために勝負をした。その方法は洗面器に顔を浸けて、先に顔を上げた方が勘定を払うというもの。

結果は二人とも顔を浸けたままあの世に行った。

オランダ人も切り返す。

ベルギーの歴史の教科書は3ページでおしまい(それだけ歴史がない)

ベルギー【Belgique】別ウィンドウで表示
ヨーロッパ北西部、北海に面する立憲王国。首都ブリュッセル。石炭に恵まれて鉄鋼業が発達。酪農も行われる。1830年オランダから独立。

どこも隣同士の国とはやり合うもののようだ。

オランダ人は戦争で攻めてきたドイツのことをまだ根に持っていて、ドイツ人にジョークで「ボクの自転車どこに行ったの?」(戦争の時に物資を奪われたらしい)とやるらしい。これにはドイツ人も一言も返せないそうだ。

ちょっと残念なのは、多くのヨーロッパのヒトたちがアメリカのことをあまり良く思っていない(らしい)こと。傲慢で身勝手な国だと思っているようだ。

ブッシュの親父さん以来の振る舞いや決断をみたら確かに仕方がない。決してみんながみんな独善的で戦争好きではないんだけどなあ。大好きなアメリカが世界の中で嫌われたり孤立していくのは辛い。

話題を変えて「パン」の話。フランスからベルギー、オランダに来るほどマズくなるそうだ。

先にも述べたけど、オランダ人は倹約家(ケチ?)で、外で食事をするという習慣があまりないためレストランが人口の割に少ないそうだ。ヒトが来ないから料金も高い。高いからヒトも来ない。らしい。

江川さんのオフィスでも、従業員が月曜日にパンとハム、レタスやチーズを買い出しに行って、毎日冷蔵庫から出して作るのだそうだ。

最後に、江川さんが通うスポーツジムの話。

更衣室の先にあるジャグジは男女混浴になっていて、水着もタオルも身にまとってはいけないのだそうだ。

老若男女、戸惑うふうもなくポンポン脱いでは入ってくるそうで、にわかに想像がつかないけど、その空間ではそれがふつうらしい。ふつうではないのが江川さんのアタマの中で、ひとり目のやり場に困りつつ、自意識過剰気味にヨタヨタとその場を去る日本男子なのであった。

恐るべし、オランダ。