父の背中に飛び乗れば

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息子の剣道から帰ってメールの返信が一段落して、さあ焼酎でも飲んで寝ようかと思ったタイミングで「部屋まで連れてって」と息子が甘えて背中に登る。もう13歳にもなって。

呆れながらも、部屋までオンブで“赤ちゃん”を運ぶ。

しばらく添い寝をしながら、こういう時間もあと一年ないんだろうなあとぼんやり天井のあたりを眺める。いつもまでも甘えていてほしい自分と、強く逞しくなってほしい自分がごっちゃに共存する。

複雑なゴールデンタイム。

甘え方を知らなかったボクは親の背中の記憶がない。たぶん2歳か3歳のボクが、父の肩車で笑う写真を知るのみだ。

明日会社で見つけたら背中に飛び乗ろうかな。

そのまま崩れる親子を想像して頭(かぶり)を振った。

いかん、おやすみタイムだ。