松山から高知に向かう列車から。 車窓をみかんの木と瀬戸内海がゆっくり流れてゆく。 朝松山を発つ前に、メンバーの実家に立ち寄った。 タクシーを待たせて、ほんの数分だけ。 せっかく松山まで来たので、息子が元気で頑張っていることと感謝を伝えたかった。 玄関が開くと、東京駅の雑踏で会っても、すぐに本人の父親とわかるくらいソックリで、背筋がピンと伸びたお父さんと、聡明でやさしそうなお母さんが迎えてくれた。 タクシーの中でいろいろ言葉を考えていたのに、その場になると、元気でやっているけど寝る時間も惜しんで頑張っていると、かえって心配をかけるようなことを言ってしまった。 年老いた両親の手のひらを両手で包むと […]
週が明けた月曜日。 新幹線で新山口に向かっている。 今日から、山口、鳥取、岡山、愛媛、高知、香川、大阪を10日間掛けて回る。 各都市の学校グループの親分や経営者との大事なミーティングが控えているので、常に最高のパフォーマンスを出せるように万全の体調管理が欠かせない。 そんなことで、体調を整え、しっかり英気を養うために、この週末は僕が生まれ育った町、香川県高松で弟が経営する宿「望海荘(ぼうかいそう)」を訪ねた。 屋島の山頂に建つこの小さな宿は、10室ほどのすべての部屋から、国立公園に指定されている瀬戸内の島々と高松の夜景が一望できる。 この部屋から眺める夕陽に真っ赤に染まる瀬戸内の風景は、僕にと […]
静かなハロウィンの夜。 いや、世の中ではなくウチの話。 家人も僕も忙しさに、飾り付けも訪れる子供たちのお菓子も用意するのを忘れていた。 いつもなら点けている玄関の照明も消し、外に明かりが漏れないようにキッチンも暗くして、気配を隠して食事をした。ふと「逃亡者」の文字が頭に浮かぶ。 その時、 「コンコココンコン、コンコン」 と、威勢の良い玄関のノック。 ぎょっと顔を見合わせる。 息子が玄関脇のガラス戸を確認すると、二人の子供。 家中のお菓子を血眼で探し、仏壇に備えたポッキーをつかみ息子に手渡す。息子からポッキーを手渡された子供たちは大喜びで帰ってゆく。 さあ、また来たらどうする。。手を休めることな […]
熱い日が続く。暑い方じゃなくて、熱いほうだ。 昨日は新商品のイベント、今晩は日本の大学生にレクチャー、明日は学校経営者のみなさんにレクチャー。規模の大小に関係なし。どれも真剣勝負の一本勝負なので気が抜けないし、馴れは許されない。 そんな中、昨日は息子の21歳の誕生日だった。 アメリカで21歳は特別な年齢だ。酒もカジノも解禁で、日本でいう「成人の日」に当たる。首を長くしてその瞬間を待っていた息子は、前の夜日付が変わった瞬間から、親友と夜を徹して飲んだらしい。(日本に連れて行った時には20歳だからと堂々と飲んでいたけど) 同じ22日、会社でのイベントを終えた僕は、メンバーに後を託してダッシュで帰宅 […]
昨晩は「いいちこ」でお馴染み三和酒類が満を持して、アメリカ市場に投入した「iichico YUZU(ゆず)」「iichico UME(梅)」のお披露目のパーティをライトハウスのイベントホールで開催。アジア系や日系の主要メディア、コミュニティーリーダー、人気インフルエンサーのみなさんが集まってくれて大いに盛り上がった。 日本の柚子、日本の梅、大分の地下300メートルから汲み上げた水、天然の素材だけを使って作られていて、とてもサッパリした飲み口。ふだんアルコールを飲まない人もクイクイいってた。 この商品が日本の食文化とともに、世界のレストランやご家庭の食卓でも愛される商品に育ってほしい。
土曜日の正午。 なんだろう、10月というのにここ数日のロサンゼルスの暑さ。 朝の自転車から帰って来たらそのままプールに飛び込み、水のシャワーで身体を冷ました。 本当はそれから、5ヶ月ぶりにメンフィスから帰省する娘を迎えに空港に行く予定だったけど、寝坊して飛行機に乗り遅れて夕方になるという。 昔からけたたましく鳴り響く目覚ましにも起きることなく、その音で廊下を隔てた部屋の息子が起こされて、不機嫌そうに娘を起こすのが我が家の早朝の風景だった。まったく進歩していない。よく高校の先生が務まるものだ。 高校といえば、昨日は日本からの高校生に講演をした。 40名くらいの小さなグループだからマイクも使わずに […]
昨日は復興庁主催の「究極のお土産フォーラム」に、ゲストスピーカーのひとりとして登壇させていただいた。 テーマは「東北から世界へ」。 未来に向けて、国と民間が力を合わせて何ができるか、またいかにしてご当地グルメをヒットさせるか、座長でロケーションジャパン社長の藤崎慎一さんのリードのもと2時間半、活発に議論された。 小泉進次郎政務官や三越伊勢丹の大西社長など錚々たる顔ぶれの中で、僕はアメリカ市場の現状や魅力についてお話をさせていただいた。(ライトハウスのPR もしっかりさせていただきながら) 人口が減っていく日本は、これからますます世界を相手に食っていかねばならない。そんな中、物流や関税などのハー […]
明日から3泊、テネシー州のメンフィスで高校の新米教師で奮闘する娘を訪ねる。 3ヶ月前にメンフィスに引っ越し、朝から晩まで座学の研修を受けていた頃は少し元気がなかったけど、実習が始まったあたりから声に自信と明るさが戻ってきた。 そしていよいよ今月から新学期が始まり、高校2年生の6つのクラスで数学を教え始めた。毎日が楽しくて仕方ないようだ。 最貧困層の子どもたちが通うその高校は、銃やナイフを持ち込めないよう校門に空港顔負けのセキュリティチェックがあり、生徒のほとんどが入れ墨をしているらしい。 1クラス35人の教室には、小学校の1年生レベルの問題が解けない子が当たり前にいて、まだ出席したことのない子 […]
週末は大学院の科目「イノベーション」の試験があった。 事前課題を元に、学長の大前研一さんが個別に出題してくれる贅沢な試験だ。 この学校は本当によく面倒を見てくれる。学生時代の答えが1つしかない覚えたもん勝ちの試験なんて、試されているみたいで面白くもなんともなかったけど、ゼロから知恵を絞って世の中にない価値をひねり出すチャレンジは毎回至福の時間。運動会の日を待つように試験が楽しい。 そういえば小学生の頃から、コーチが無意味に威張って根性論を押しつけるスポーツチームにはちっとも馴染めなかった。僕には、隣町の小学生に働きかけて草野球のリーグを作り、狭い空き地でローカルルールを決めながら運営する「独立 […]
「パパありがとっ。旅行楽しかったよ。いつも大好きだからね!」 日曜日の夜。メンフィスから帰って、風呂を浴びてるうちに娘からのメッセージが留守電に残ってた。 娘が高校の教師に赴任するテネシー州のメンフィスへ、娘のプリウスで1900マイル(3000キロ)の道のりを3日掛けてドライブして、帰りは飛行機で帰ってきた。 車と荷物を運ぶのと、娘の社会人生活が始まる街を自分の目で確かめておきたかった。(まあ要はいっしょに過ごしたかったという話なのだけど) 1900マイルの道中はちっとも退屈することがなかった。 話は尽きなかったし、小腹が空いたら、娘がスイカやスナックを運転する僕の口に放り込んでくれた。 大き […]