ボストンからNYへ
- 2007.05.05
- 日記

あと30分ほどでマンハッタンだ。
ボクは今、ボストンでの出張を終え、ニューヨークへ向かうアムトラックでこのブログを書いている。
前回の出張の時に悪天候で、陸路のアムトラックに切り換えたのだけど、その風景の美しさにすっかり魅せられて今回もアムトラックで移動している。飛行機の方が早そうだけど、マンハッタンのど真ん中までそのまま乗り入れるし(ニューヨークは空港からマンハッタンへの移動が必要)、何よりこうして風景を眺めたり、スペースがゆったりしているのが良い。
今回ボストンはわずか45時間の滞在だったけど、そのミッションは地元日系メディアとLCEの業務提携と、それによってボストンに将来拠点を開設するための重要なミーティングだった。
まだ詳細を明かせる段階ではないけど、同社のオーナーの瀧波さんとは概ね同意に達することができて、忙しくなるのはこれからだけど、ひとまず大役を逐えて胸を撫で下ろしている。
ボストンに飛ぶまでの日々も、ボストンの交渉の間も、また同社のスタッフと接している時も、一貫して「動機は善なりや、私心なかりしか」自問自答し続けた。
「動機は善なりや、私心なかりしか」
この頃、何をするにもまずこの言葉を自問する。本当に世の中に必要か。
世の中に必要とされる事業でなければ価値も意味もない。決してそこに私利私欲があってはならないし、ソロバンから入ってもいけない。最初にそこがブレると必ず失敗する。
若い頃の交渉のテーブルでは自分の利益が優先して、相手の利益までなかなかアタマが回らなかった。しかし、世の中に必要とされることと、相手の収穫や成功なくして、決して永続的な発展はあり得ない。また小手先の駆け引きやテクニックは必要ない。
相手の身になって、相手と心のパイプを通すことに集中することが一番大切だと思う。常に意識して自分を戒めないと、卑しくて狡い自分が顔を出す。
そんなことで、今回も誠心誠意、謙虚な気持ちで、これからパートナーになる人たちの利益を最優先に考えて提案をした。
正直、最初は話が核心に近づいては、話が遠くに行ってしまったり、真意が伝わっていないのか心配になる局面もあったけど、最後はガッチリ握手をしてボストンを後にすることができた。瀧波氏やスタッフのみなさんに心から感謝するとともに、必ずいっしょに成功したい。
出発の朝、最後のミーティングを終えて空港に向かう前に、瀧波さんがレッドソックスの球場に立ち寄ってくれた。
球場のまわりは、そこここの看板やショップ、レストランに日本語で歓迎の言葉が並ぶ。松坂への期待の大きさがわかる。ショップでは松坂グッズが一番場所を取っている。松坂シャツは英語版だけでなく、日本語、中国語、韓国語バージョンもある。ちなみに中国語では「赤靴下」と表現されていた。そのままやないか。
同店のグッズの売上は前年比400%で、日本人の売り子さんを6名も増員したそうだ。恐るべし松坂効果。ボクもにわかレッドソックスファンになって、刺繍の入ったTシャツと息子の土産を買った。
空港へ向かってボストンの町を走る。古い建物がならぶ街並は、どこかロンドンにも似ていて、晴れた日や夕暮れ時はどこでシャッターを切っても絵はがきになりそうな美しさだ。ちょっと暮らしてみたいような衝動に駆られる。
助手席の車窓を少し開けると、春のやわらかい風が入ってきてやさしく頬を撫でる。
ふと、小学校の校庭が目に入った。
新緑のグラウンドを、レッドソックスのシャツを着た男の子が元気に走っていく。その背中に「DICE-K」(松坂の名前ダイスケ。Kは三振の意味)と背番号「18」の文字が誇らしげに躍っていた。