LAまで21時間
- 2010.02.01
- 日記

一昨日の金曜日、ロサンゼルスに帰ってきた。
日本では東京と大阪でひと仕事をして、最後の日は父親の暮らす山口県の萩を訪ねた。
萩からロサンゼルスまで、乗り継ぎを含めると21時間くらいかかる。
朝7時に出発。堀内にある伯母の家からタクシーで最寄りの停留所まで10分。
そこからバスで1時間半、日本海の荒波を左手に眺めながら萩・石見空港に向かう。
この風景が直球でドシンとくる。
石川さゆりからビリージョエルまでどの歌が合うか、声に出して試してみたけど、良い風景は懐が広いことがわかった。悲しくてもうれしくてもひとまず日本海はおススメしたい。
途中20カ所余りの停留所を通過したけど、その日はバスセンターの停留所でいっしょに乗ったおじいさんと若い女性の2人以外には誰も乗り降りがなかった。
来る時の新山口から東萩も1時間半の間に5人の乗客だったから、地方の公共交通機関は採算だけ考えたら成り立たないことがわかる。地方の行政は効率や損益だけではないのだと感じた。
空港は「萩・石見空港」という名前だけど、島根県にある。千葉にある「新東京国際空港」みたいなもんだ。発着便は1日に東京が各2便、大阪が1便、札幌が1便の計4本。
チェックインカウンター周辺に3人、荷物検査の機械のところに3人、全部で6人も若い人を配置していたけど、いかにも暇そうだった。バックヤードの職員を合わせたらその倍の人数は働いているのだろう。空港の売店も食堂もガラガラで、家賃がタダでも人件費が捻出できるようには見えない。財源は税金だろうに良いのだろうか。ここは悪いけどリストラの余地がある。半分の人数で回してほしいと思った。
そんなことを考えながら飛行機に乗り込み、1時間あまりで羽田に到着。思えばバスに乗っている時間より短かった。
そこから羽田と成田を結ぶリムジンバスに乗るのだけど、次のバスの時間まで15分しかない。ガーン。
そこへ持ってきて、2日前にスーツケースを入れたコインロッカーがない、ない、ない。みんな同じ風景。
空港案内所に尋ねて、ようやくロッカーを見つけたものの、今度は100円玉が足りない。
大丈夫、まだ5分ある。気持ちを落ち着かせて両替機に1000円札を入れると、しばらくしてそのままお札が戻ってくる。シワを伸ばしたり、裏表にしてもアウト。思わず阿波踊り。
残り3分!(1便遅らせたら良いだけなんだけど)
必死の形相で東京バナナの売店に駆け込み、500円硬貨2枚に両替。
スーツケースを引っ張りだして、チケットを購入して、バス停に駆け込むと同時にバスが着いた。やれやれ。である。
週末のせいか道路は空いていて、風景に見入っているうちに成田に着いた。
ところであの空港手前の、ニューヨークでもヨーロッパでも見ることのないセキュリティチェックって何なんだろう。
それらしい制服を着た職員がバスに乗り込んでは、もっともらしくパスポートのチェックをしていくのだけど、なにかの「チェック」や「予防」になっているようにボクには見えない。
ボクの腰に拳銃があっても、バスの荷台にバズーカ砲が入っていても、この程度のチェックでは見つからないし、むしろフィルターを強化するなら空港に入ってからのセキュリティーチェックだろう。
きっとあのゲートのチェックだけで100人くらいの人が雇われているのだろうけど、成田空港を作る時に地元とエラく揉めたから、その駆け引きのカードのひとつが、こういうつじつま合わせのような地元民の雇用だったのだろうなあとつい穿った見方をしてしまう。
ここだけで施設の維持費や人件費で年間に数十億円はかかるだろう。こういうのが日本中いたるところで積み重なってとんでもない重税となって企業や個人にのしかかっているのではなかろうか。
税金の使われ方もこの機会に精査しないと、企業や個人は決して打出の小槌じゃないから、あまりぶら下がりすぎると競争力を削いでしまうのではと心配になる。
足の引っ張り合いで地盤沈下が心配な日本だけど、鳩山さんには世論に右往左往せずバッサリ大胆な改革をしていただきたい。また、無責任に国民を不安にするマスコミにはぜひいっせいに海や川に飛び込んで、サメかワニのエサになっていただきたい。日本の未来のために。この国にこれ以上、口を動かす人はいらない。いっしょにベクトルを重ねて汗を流す人がほしい。
国を憂う前に心配すべきは我が荷物であった。
バスを降りてしばらくして、何かもの足りないというか身軽であることに気づいた。
心かぁ?
ちがう、ジャケットだ!
パタゴニアのダウンジャケット、バスに忘れた!
ボクは全力で走りながらどこに走るべきか考えた。