飛び跳ねる着ぐるみ
- 2010.06.21
- 日記

6月の週末に娘とドライブ。
来年高校を卒業する娘は、もう1年ちょっとで家を離れてしまう。
だからふたりの時にはできるだけいろいろなことを伝えるよう心がけている。
また彼女もそんな思いを察してか、以前よりも熱心のボクの言葉に耳を傾けてくれる。
その日は「小さな仕事の大切さ」を彼女に話した。
会社は毎日の小さな仕事や地味な仕事、誰もが嫌がる仕事の集積で成り立っている。
コピー取りやお使いが一人前にできない人間に、まともな仕事や大きなことは決してできない。そんな人にはみんなの本気の力が集まらないから。言われたことだけをただやるのは「作業」。そこに工夫や改善ができないか気持ちを込めてやるのが「仕事」だ。せっかく生まれてきたんだから「仕事」をしなくちゃもったいない。
時給でも月給でも「給料分だけやっときゃいいわ」という考え方の人は、決して進歩や成長がない。回りの人にもそれがわかるから、結果として組織にそれほど必要ともされずに転職を繰り返していることが多い。そういう人の回りにはやはり同じような人が集まって、世をすねて、会社や上司の不満をどこに行っても言っていたりする。
一方で、出し惜しみなく全力投球する人、自分の人生や仕事に恥じない「矜持」を持って何事にも取り組む人には、不思議なくらい人やチャンスが集まってきて人生がどんどん好転していく。ライトハウスで過去に取材したアメリカンドリーマーやスペシャリスト、矜持の人たちに共通していることだ。
人は見ていないようでよく見ている。
地味な仕事を一生懸命やる姿勢、人の嫌がることを率先して引き受ける人間を、組織や世の中は放っておかない。多少その人の能力が高くなくても、そこに回りの人間の応援や支援がどーんと集まるから、本人の能力を超えた仕事ができたりするのだ。
意外と多いのが、自分の能力を過信して、謙虚さもなく、スタンドプレーの「良いトコ取り」の人。そういう姿勢だとまわりが離れていくから、能力が高くても、自分の力以上にできなかったり、むしろ回りに足を引っ張られるから、なかなか結果がついてこない。
「だから、おまえは謙虚な気持ちをいくつになっても忘れずに、地味な仕事や人の嫌がる仕事こそ率先して取り組むんだよ。必ずそこに気持ちを込めて」
となりの娘が大きくうなづく。
「パパ、知ってる?
ブラッド・ピットの一番最初の仕事は、エルポヨロコ(チキンのファストフード)で、チキンの着ぐるみを着てお客さんを呼び込む仕事だったんだよ。
(人気歌手の)ビヨンセも、お母さんの美容室の床掃除をずっとやってたんだって」
ブラピ、だからカッコいいんだなあ。一生懸命飛び跳ねる着ぐるみの情景が目に浮かんだ。