土曜日の朝。昨日は第4四半期のキックオフだった。 3ヶ月前に立てた目標は、個人でもチームでも達成できたことばかりではない。 不本意な結果もあれば、脱帽するくらいの躍進もたくさんあった。 それでも毎回、最後のメンバーひとりひとりの振り返り発表の時は、それぞれが頑張ってきたこの3ヶ月を思い、心の中で手を合わせる。 キックオフ後のコンパでは日常から解放され、メンバーたちと酒を飲む。 昨日はスイス料理のケータリングだった。どのあたりがスイスだったのかはよくわからんかったけど。 あっちのテーブル、こっちのテーブル、メンバーの笑い声の中にいるのがボクにとって一番心地良い時間のひとつだ。この3ヶ月の様々なシ […]
月曜日の朝7時。この週末から大学院の後期に入り、新しく開講した「企業論」の講義を見終える。 格好は寝間着。場所は書斎。 講義も議論も課題も試験もすべてオンデマンド。 24時間自分の都合のよい時間に学ぶことができる。便利でありがたい時代だ。 この週末は仕事も勉強もずいぶん捗(はかど)った。 仲間と自転車にも乗れたし、デンゼル・ワシントンの最新作「イコライザー」も見れた。 映画は足を運んで映画館で見るのがやっぱり面白い。 自転車は立ち漕ぎで山を登りながら、エアラインの方から航空業界や航空行政の話が聴けた。 なぜ成田は24時間営業じゃないのか、アジアのどの路線が今後期待される市場か、飛行機はどうして […]
10月3日金曜日。 朝6時半、一番乗りした会社の窓を、朝焼けが水色とピンク色に染めていた。 秋の匂いがする朝の空気を肺いっぱいに吸い込む。 まっさらな1日のはじまり。 日本、インドネシア、シンガポール、インドへの長期出張、帰国翌日にはシリコンバレー。 朝目覚めると「オレ、どこだっけ?」と一瞬考える。 そんな慌ただしく、そしていろいろなことがあり過ぎた一ヶ月だった。 そんな中、今週はLCE(ライトハウス・キャリアエンカレッジ/ライトハウスの教育研修事業)の日米のメンバー全員が集まって、サンディエゴに程近い海辺の街エンシニタスで合宿を行った。 12名を乗せたバンはボクがハンドルを握る。 往路では、 […]
日本出張5日目。 萩で親父の墓参りをしてからじわじわと北上。今日東京入りした。 昨日今日は、お世話になっている経営者Fさんの依頼で、大阪と東京で講演をさせていただいた。同社の取引先の創業者や、2代目、3代目の後継者が対象。 先輩経営者も多い中、毎回、自分でいいんだろうかという思いもある。それでも講演後に、名刺交換の長い行列と晴れやかな表情にふれると少し肩の荷が下りる。 「アメリカで勝負しようと決意しました」「勇気をもらいました」 そんな言葉を聴けると、自分の心の中のたぎるような想いが、ほんの数時間前まで知らなかった誰かの心に点火できたようでうれしくなる。 さらに今回の講演の様子を、子守康範さん […]
朝から海風が涼しい水曜日。 今朝の全社勉強会のテーマは「成功するまであきらめない」 各部署ごとに、成功するまであきらめないってどういうことか話し合った。 「自分たちの高いスタンダードを設けて絶対に妥協しないこと。越え続けること」 「自分が良しとしないものを世の中に出さないこと。曖昧や複雑なまま通さないこと。自分の田舎の親父さんやお袋さんが読んで理解できるものであること」 「期待どおりはただの満足。期待以上で応え続けること」 聴いていて、やる気が漲ってくる。 ボクはこんな話をした。 世界中の人、みんな当たり前にがんばっている。ウチだけじゃない。 その中で、こんなちっちゃな会社が世界で突き抜けよう […]
8月9日の土曜日の正午。 先週も教育セミナーの進行役あり、久しぶりの営業同行あり、連日日本からの来客あり、盛りだくさんの楽しく充実した一週間だった。 が、ビジネススクールの課題は遅々としてはかどらず。 遅れをとり戻すべく朝から書斎にこもり、着地点が見出せなかった「企業再生」の最終レポートをようやく提出。 めでたしめでたし。 お腹がぐうぐう鳴るので気分転換にカレーをこしらえた。 名付けて「大地と海の出逢い・地中海の朝焼け風漁師仕立てカレー」 まあフライパンに、お湯とローストビーフとサバ缶、ざく切りのトマトとカレーのルーを放り込んだだけだけど。 さ、もうひとがんばり。 カレー食べたら、一気に読みか […]
日曜日の朝。 まだ少し薄暗い時間、中庭に面したドアを開くと、プールの水面に見逃しそうなくらい小さな雨粒が音もなくそっちにこっちに大小の弧を広げる。 広がっては消え、また広がっては消えていく。 スリッパのまま外に出て、手のひらを空に仰いでも、意識しないと気づかないくらいに微細な雨。 自転車はお休みにして、水面をしばらく眺めることにする。 繊細でも激しくても、雨の水面は眺めていて飽きない。 晴れた日の午後は、音のないプールの底にゆれる水面の影をゴーグル越しに眺めるのも好きだ。 その瞬間瞬間の風景が、日常といっしょで二度と再現することができない。 大学院も、あと二つの試験を終えたら夏休みに入る。 昨 […]
メインバンクの支店長のY子さんが35年間勤め上げた銀行を今月いっぱいでリタイヤする。 元々日系資本の銀行だったが、撤退の時に地元の銀行が従業員ごと引き受けて今日に至る。人の移動もほとんどなくて、いつ行っても同じ顔ぶれの安心感がある。 窓口のスタッフはたまに僕が顔を出すと「おや、ボス(カミさん)はどうしたの?」と冷やかす。 古い日本の躾を受けているY子さんの教育か、お金を数える時にお札の向きと裏表を揃える。万事にガサツなアメリカでは珍しいことだ。 また、ちょっとしたことでもすぐに電話で知らせてくれる。役立ちそうな情報や人をよくつないでくれた。派手さも大技もないけど、人の顔が見える街の銀行だ。 Y […]
「今朝、無事に納骨が終わって、明日ロサンゼルスに帰国します。父親の最後の時間をこれ以上ないくらいに面倒を見ていただきました。本当にありがとうございました」 7月7日、担当医のT先生と看護婦さんたちに見送られて、山口県湯田の日赤病院のホスピス を弟と後にした。 父親の危篤の報に緊急帰国したのが1ヶ月前。 一時は昏睡状態から立ち直り、表情で意思表示ができるまで回復できたけど、すでに食事を口にする力も残されておらず、1枚ずつ葉っぱが舞い落ちるように階段を降りていった。 「一生末っ子だったね」 葬式に駆けつけた家内が懐かしむように言った。 6人兄弟の末っ子で、小さい頃から甘やかされて育った父親は何でも […]
日本は日曜日の朝。 今頃、多くの人たちはワールドカップの日本戦で盛り上がっているのかな。 山口の湯田温泉のホテルに滞在して、親父が入院する日赤病院を往復する毎日。 今日で日本10日目になる。そして、親父は点滴だけでもう2週間。 静かにその日を待っている。 ホスピスで過ごす毎日は「死」が身近に存在する。 カーテンが風に揺れるお向かいの部屋には昨日までは“住人”がいた。 夜更けに階下に降りると、看護婦さんに肩を抱かれて泣きじゃくる若い女性がいた。 その一方で大きなお腹を抱えた女性とすれ違い、生まれたての赤ん坊を囲む笑顔の家族も見かける。 ここでは人が去り、人が生まれてくることが日常だ。 僕の人生は […]