ハヤブサのツィティ
- 2006.08.29
- 日記

息子の玄(はるか)が「パパ昨日ハヤブサを空に帰したんだよ」と背中から言った。
昨日は遅くに帰って今朝も早くに家を出たのでぜんぜん知らなかった。
ハヤブサの赤ちゃん(たぶん)「ツィティ」がビルの駐車場で倒れていたのは10日ほど前。鏡のような会社のビルには、敵と勘違いしたカモメや野鳥が誤って突っ込んでくることがある。それを事務の鈴木さんが見つけて、うちのチビたちが引き取らせてもらった。
その夜は大きなバスケットの中でタオルに包まれてジッとしているのが精一杯の小さな命を家族が代わる代わるに見守った。羽を広げることもできず、目を閉じて苦しみにひたすら耐えているようだった。動物であっても、子供が痛みに耐えるのを見るのは辛い。
翌朝、子供たちの思いが通じたのか少しだけ動けるようになった。昨日よりは生気がある。よかった!峠を越えていることを祈る。でも何も口にしてくれない。
3日目。家に帰ると娘のひかるが嬉しそうに手を引っ張る。
「ご飯、食べるようになったんだよ」
千切った鶏肉をくちばしで不器用に啄(つい)ばんでいる。
「おおっ共食い!」と思ったが余計なことは言わない。
その日、子供たちのバスルームには新聞紙がしかれ「ツィティ」の部屋になった。飛べないけど、羽を頑張って広げようと何度も試みている。
会社から帰ると抜け出したツィティが床にいてハッとしたりも。
家内はあちこちに落としたお土産を拭いて走る。
5日目、6日目と加速的な回復を見せ、食欲も旺盛に。失敗しながら短い距離なら飛べるようになる。なんか末っ子の成長をみんなが見守る感じ。
子供が覗いたら便器の中からこっちを見上げていたことも。
そして昨日。
玄が剣道のコテにツィティを載せて庭に出ると一気に飛んだ。見たかったなあ。
たぶん、ツィティにはこれから自分で餌を確保することや身を守るというハードルに苦戦するだろう。だけどだけど、頑張って長生きをしろよ。