南米親子旅 その3
- 2008.04.13
- 日記

出張や旅行から帰ったら、どんなに疲れていても、荷物をキレイに片付けないと落ち着かない。
子どもの頃は、机の中にパンや宿題、返ってきたテストを立体的に詰め込んだままでもまったく動じなかったのに。
今朝も帰ってきたら、まず旅でたまった衣服やスニーカーを洗濯機に放り込み、旅の必需品たちを元の場所に収納し、急ぎのメールの返信を済ませ、ライトハウスの最新号に目を通し、ようやくへたへたとベッドにもぐり込んだ。
みんなオトナになってゆくのですね。
はてさて。話は再びブエノスアイレスに。
アルゼンチンと言えばタンゴ。そしてフォルクローレ。
到着初日の夜はさっそくタンゴにいこう。
どこがおススメかはホテルに相談すると安心。予約もあわせてお願いした。場所は、タンゴの神様(らしい)カルロス・ガルデスが働いていた市場前に2000年にオープンしたタンゲリーア、その名も「エスキーナ・カルロス・ガルデス」
ホテルを回る迎えのバスに乗って、開店と同時の午後8時半に到着。店内はオペラ劇場のような造りで、たくさんのお客をいっぺんにさばくにもかかわらずサービスも好感。
ショーが始まるまではワインとコース料理で歓談。
昼のステーキに、アルゼンチンはどこでも肉がうまいのかと思ったら、必ずしもそう言うわけでもないことがよくわかった。やっぱり職人の腕か。
それでも肝心のショーはバツグン。さすが本場、さすがプロ。全員大感激。
一名を除いて。
それはうちの親父。ショーが始まる頃に眠り、閉幕とともに目覚めた。
腕を引っ張って、ひとりひとりのダンサーや演奏者にいっしょに謝って回りたかった。もうしませんと。
昔、ライトハウスで南こうせつさんをお招きして大きなコンサートを主催したことがある。
親孝行がしたくて、最前列のまん中の席を親父に用意したのに、親父はそこでも眠った。
観客がこうせつさんの動きに合わせて手拍子をしたり、いっしょになって躍ったり、ステージが一体になって盛り上がっても、その席の人影はアタマがナナメになったまま動くことはなく、ステージの裾からこうせつさんに手を合わせて詫びた。
はてさて。
二度あることは三度あると言うけど、その翌日の夜、フォルクローレのショーでもキッチリ親父は一番前のテーブルで居眠りを始めた。
それでも帰り道の夜風の中で「音楽は良いなあ」と親父は遠くをやさしく見つめて言った。ご機嫌なのだ。
それはなぜ。
ボクは横顔を眺めながら、「半分の血をありがとう」と心でつぶやいた。