ワールドメディア・アライアンス
- 2009.05.10
- 日記

息子を日本語学校(西大和学園補習校)に送り出し、ひとりプールサイドでノートブックと向き合う静かな週末の朝。
しばらく来客が続いて自転車をサボっていたから、今朝の坂道はカラダがしっかり重かった。来月の息子の学校の運動会(父兄対抗リレー)でしっかり足が上がるように、鍛え直さなくては!
さて。今週はロサンゼルスのライトハウス社屋を会場に、第2回目の「ワールドメディアアライアンス」が実施された。
この「ワールドメディアアライアンス」は、ボクが音頭をとらせてもらって集まった世界13都市の日本語情報誌の経営者5人の“同志の会”で、「情報を通して各地の日系社会の活性化拡大」と「日本から世界に飛び出す個人や企業の足場づくり」というミッションのもと、思いを重ねる日本語メディアの連合体だ。
現在、アメリカは、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンデイェゴ、ハワイをカバー。
アジアでは、香港、上海、北京、大連など中国の主要都市とタイ(バンコク)をカバーしている(都市と国がごっちゃだけど)。
外務省の海外在留邦人統計によると、ボクらのメディアがカバーする地域は、ベスト10のうち6都市、ベスト5にしぼると上位4都市(1番からロス、NY、上海、バンコク)を占めている。
そんなボクたちのメディアの読者数を合わせたら、海外在留邦人の70%前後をカバーできているのではなかろうか。
余談だけど、「ウォールストリート・ジャーナル」や「FOXテレビ」を抱える米メディア大手のニューズ・コーポレーションが、第一四半期(1〜3月)の決算で、営業利益を47.5%下げたと発表した。
ボクらの会社は、規模的にはきっとニューズや米大手の何百分(何千分?)の1で、従業員の数を合わせても、やっと200人くらいの規模だけど、財務体質や経営の底力なら絶対に負けていないと思う。
ボクらは頭でっかちのエリートじゃない。みんなゼロからスタートして、移民のハンデを乗り越えてきた雑草集団だから、根本的な「生命力」がちがうのだ。
話を戻そう。
1回目に東京で集まった昨秋は、発足したもののこの会の意義・目的が少し曖昧だった。それが今回、経営会議(1)だけでなく、広告主を含む読者との交流イベント(2)や、ライトハウススタッフとのコンパ(3)をやることで新たな価値と方向性を見いだすことができた。
経営会議(1)では、ボクら経営者同士、経営の判断ミスや不況のダメージ、困っていること、悩んでいることを赤裸々に語り合う。ノウハウや事例を持っている経営者が惜しみなく助言をするし、経営努力が足りないのであればそれも指摘し合う。
もちろん、提供できるアウトプットの個人差はあるけれど、目先の損得ではなく、持っている人が提供して、お互いが経営を磨き高め合えば良いのだ。自分ひとりでは、行き着くのに5年、10年かかることを、瞬時に経営に反映させることができたら、そのメディアが発行される日系コミュニティにもより大きな価値が提供できるだろう。
言い換えたら、1社(1人)の経営者の脳味噌に入っている“誰かをシアワセにできる智恵”は、海外に暮らす70%の読者とシェアすることができるのだ。秘伝のタレじゃないんだから、おたがいにジャンジャン蔵出しして実践しない手はない。
タイのワイズの西岡さんなんか、半年の間にメンバーのノウハウや人脈をフル活用して、年刊誌やクーポン誌、新コラムを次々とスタートさせた。それもさらに進化させて。
自分たちのノウハウや人脈が世界中で活かされて、知らない誰かの人生を豊かにできたら、そんな気持ちの良いことないではないか。
交流イベント(2)も、ライトハウスの2階ホールが満杯になるくらい盛況だった。
初めての試みだったのだけど、将来、海外(あるいは他地域)への展開を考えている経営者向けに、パネルディスカッション形式で、今回集まってくれた経営者のみんなから、各地で商売をするために必要な情報を話してもらった。
同じアメリカの中でも、ハワイ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンディエゴではずいぶん勝手が違う。ましてや、中国やタイとなると、商習慣も法律も採用環境もまったく異なる。家賃や人件費の相場もまったく想像がつかない。
そのあたりを、それぞれの地域のことなら、たぶん誰よりも幅広く知識を持っている(とくにスモールビジネスの立ち上げノウハウをたっぷり持つ)ボクらメディア経営者が、事例をあげながらわかりやすく解説できたと思う。
イベント後のアンケート結果も上々で、パネルディスカッションについては、1名「ふつう」以外は、全員(約50名)が「たいへん満足」「満足」と回答してくれた。
このイベントを通して、ロスからハワイや東海岸、あるいはアジアへの展開、あるいはその逆の他地域からロスやサンディエゴへの進出など、ボクらの活動が、国際間の人や企業の流動化を、草の根レベルからもっともっと促進できる手応えがつかめた。
ちなみに来週は、ハワイの経営者のみなさんにロスやサンディエゴの魅力を伝えるための講演をさせていただく。ボクらのメンバーの上野さん(ハワイのアロハストリート社長)の声掛けだ。そして秋には、次回のメディアアライアンスと合わせて、上海の経営者のみなさんとの交流イベントが実現しそうだ。
最後のライトハウスのスタッフとのコンパ(3)も素晴らしかった。
読者との交流イベントが終わって、今回のメディア経営者を囲んで、ロスのメンバー全員が会食をさせてもらったのだけど、それはそれは魅力的な話を聴かせてもらえた。
面白いくらいキャラクターが被らないそれぞれの経営者が自分の体験から滲み出た言葉で、仕事や人生、失敗談や苦労話を語ってくれる。価値が理解できるメンバーはすぐに帳面を取りに走る。トップメディアの経営者と酒を酌み交わしながら直に話が聴ける機会なんてそうそうないのだ。
アジア4都市で日本語情報誌と中国人富裕層向けの情報誌を発行する大西さん。
NYとハワイ、中国3都市で情報誌を発行する新谷さん。
ボクにとって親友でライバルの二人は、ともにリクルート出身の経営者だけどタイプがまったく異なる。
スタッフに話してくれたリクルート時代のエピソードが二人の個性を物語る。
「新人は一日100枚キャンペーンといって、朝から晩まで飛び込み営業をして名刺を100枚もらわなくてはならなかった。なんの意味があるのだろうと思ったけど、継続しているうちに、社内を見渡すだけで、この中で誰が名刺をくれるかわかるようになった」という大西さん。その後も在職中はトップセールスマンで有り続けた。起業後は、その強烈なリーダーシップで会社をぐいぐい引っ張ってきた。
*「熱いハートを持つブルドーザー」大西さん
一方、新谷さんは、
「ボクは人見知りで、3日間回っても2枚しか名刺が貰えなかった。自分は人前で話すのが苦手だから、どうしたらそんな自分でも受注できるか考え続けた。そのおかげで、効果の出るニュースレターや、お客がお客を紹介してくれる仕組みをつくることができた」と自ら物語るように、経営手法も独特で、基盤と仕組みを作ったら、後は信頼のおけるパートナーに完全に任せてしまって、会社を大きくしてきた。
この話にはオマケがある。
新谷さんを空港に送る車の中でこんな会話が交わされた。
「新谷さん、ホントに3日で2枚しか貰えなかったの」
「そんなのウソはつきません。ホントです。だけど、必死で名刺を貰いに回ったとも言ってない。サボってただけです。あの空気の中で求められる回答をしてみました」
だって。煮ても焼いても食えないところがある。
*「初めて自動車の運転をしたのが小3」の新谷さん。今もヤンチャなまま。
縁あって気持ちを重ねる仲間たち。
この仲間たちと1社では成し得ない価値を世の中に提供していきたい。
そして、お互いに磨き合いながら、高め合いながら、成長していきたい。