世代を超えて

世代を超えて

スーパーで牛スジ肉を見つけて衝動買い。久々に「どて煮」をつくる事にした。「どて煮」は、親父の得意料理で、気が向いた時に、鍋いっぱいつくってくれるのが子供の頃から楽しみだった。調理する姿を横で見ていて、自然に作り方を覚えた。あんなに硬いスジ肉が、トロットロで、濃厚で、飯とも酒とも抜群の相性の一品になるのが魔法のように感じたものだった。そんな親父直伝の「どて煮」、学生時代にはちょこちょこつくっていたが、最近すっかりご無沙汰だった。
じっくり煮込んで灰汁をとり、蒟蒻をちぎっていれ、更にじっくり煮込み、酒、みりん、砂糖、醤油、味噌で味をととのえる。ネギと一味をかけて一口頬張ると、そこには懐かしい味があった。息子も一口食べて「美味しい!」と大喜び。こうやって世代を超えて伝わっていくんだなぁっと、なんだか胸が熱くなった。来月、初めて両親をロスに招待した。両親にとっては、ほぼ初めての海外旅行。俺まで何だか緊張するが、スゴく楽しみでもある。
ちなみに、弟は大阪で居酒屋を経営している。そこのメニューのひとつに、親父直伝の「どて煮」がある。親父の名前をとって「功治煮」という名前がつけられている。