月別:2014年7月

Y支店長

  • 2014.07.25

メインバンクの支店長のY子さんが35年間勤め上げた銀行を今月いっぱいでリタイヤする。 元々日系資本の銀行だったが、撤退の時に地元の銀行が従業員ごと引き受けて今日に至る。人の移動もほとんどなくて、いつ行っても同じ顔ぶれの安心感がある。 窓口のスタッフはたまに僕が顔を出すと「おや、ボス(カミさん)はどうしたの?」と冷やかす。 古い日本の躾を受けているY子さんの教育か、お金を数える時にお札の向きと裏表を揃える。万事にガサツなアメリカでは珍しいことだ。 また、ちょっとしたことでもすぐに電話で知らせてくれる。役立ちそうな情報や人をよくつないでくれた。派手さも大技もないけど、人の顔が見える街の銀行だ。 Y […]

親父

  • 2014.07.07

「今朝、無事に納骨が終わって、明日ロサンゼルスに帰国します。父親の最後の時間をこれ以上ないくらいに面倒を見ていただきました。本当にありがとうございました」 7月7日、担当医のT先生と看護婦さんたちに見送られて、山口県湯田の日赤病院のホスピス を弟と後にした。 父親の危篤の報に緊急帰国したのが1ヶ月前。 一時は昏睡状態から立ち直り、表情で意思表示ができるまで回復できたけど、すでに食事を口にする力も残されておらず、1枚ずつ葉っぱが舞い落ちるように階段を降りていった。 「一生末っ子だったね」 葬式に駆けつけた家内が懐かしむように言った。 6人兄弟の末っ子で、小さい頃から甘やかされて育った父親は何でも […]