西原くんからのメール

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日曜日の午後、買い物から帰ってきてこの原稿を書いている。

買い物と言っても、趣味や洋服のショッピングではなく、お米や肉野菜といった日常の食材。ひとりでぶらっと行くのが結構好きだ。

学生の時からそうだけど、一通りの食品の値段が頭に入っているから、一般の主婦よりチェックの目はキビシイ。決して「特売」とか「店長おすすめ」に踊らされることなく、本当にお値打ちかどうか自分の目で判断する。

野菜はぱっと見で選ばず、八方から見て、触って、時にはノックするように叩いてみて、その感触を確かめてから初めてカートに入れる。真剣な表情だからきっと浮いていると思う。それは、顔を斜めに、ボクの様子を窺うオバちゃんと目が合ったりするからわかる。

知り合いの奥さんなんかに会うと「あら、ご家族は?!まぁ、おひとりで!偉いわね〜っ」と、ポチが買い物したみたいにほめてくれる。
大人として、そこはとびきりの笑顔で返すけど、それは一流の板前や剣の使い手に「あんた、上手じゃない」と言うようなものだと思ってる。

さておき。

暖炉の炎がゆれるボクの書斎からは、カリフォルニアらしい澄んだ青空と豊富な緑、その隙間に、少しだけロサンゼルスの町並みや、背後のエンゼルフォレスト国立公園をのぞむことができる。

海や山は眺めているだけで幸せになる。そこに足を踏み入れたらことさらだ。今年は仕事同様、自然にも大いに挑みたい。

先週末は高津家と親父、うちの家族でマリブの山を登った。

360度見渡せる夕暮れ前の風景は、空も海も黄金色に燃えるようだった。ここなんか、トーランスから1時間半もあれば登山口に着く。そこから頂上往復は、シニアや子供(中学生くらい)の足でも2時間で帰ってこれそうだ。午後ゆっくり家を出ても晩ご飯の頃に帰ってこれる。

実はロサンゼルスやサンディエゴの近郊には、こんな手頃なコースから、上級者向けのトレイルまで、数多くのハイキングコースが存在する。

編集長の川嶋と、近郊のハイキングや、ちょっとした旅の情報を、今年はライトハウスの誌面で紹介していこうと盛り上がっている。

旅と言えば、中南米を旅している西原くんからメールが来た。

西原くんは中京大学を卒業してからアメリカに留学。ライトハウスのソフトボールチームの助っ人として活躍しているうちに、そのシャープな守備と打撃を買われてライトハウスの入社が決まった。大型新人のために契約金として、「さぬきの里」のトンカツ定食(小うどん付)を特別に用意した。

ライトハウスの入社には、ソフトボールがうまかったり、酒が強い人材のために、「スポーツ推薦枠」、「アルコール推薦枠」が存在する。

ウソです。すみません。

今日は頭がハイのようだ。話を西原くんにもどそう。

その西原くん、社会人になる前に思い出に残る旅をしようと、友達と二人で中南米のさまざまな国を訪ね歩いている。

あんまりその文章が瑞々しくってステキなんで、メールの一部だけ引用したい。

(以下、一部を引用)

中米は英語が全く通じずスペイン語ばかりで苦戦してますが旅本片手にがんばってます.
言葉ではなく,心ですね!思いは通じます.^^
グアテマラといえばコーヒーということで空港でコーヒーを飲んだらおいしかったです.
小さな幸せですが,こんな毎日が続いてます.
旅が始まり一週間,すばらしい笑顔と出会うことが多いです.
ベリーズからグアテマラのフローレスに向かう途中,バスのなかで少女に出会いました.
写真を撮ろうとすると逃げ隠れして笑顔が絶えませんでした.
その子は決して裕福ではありません,ですが心はとても裕福なんだぁと感じました.
裕福で心が貧しい人よりも,貧しくても心が裕福な人のほうがよっぽど幸せであることを
ここで出会う人たちは教えてくれます.

(引用、ここまで)

スマン、西原くん。勝手に載せました。

彼のメールを読んでると、知らない土地に旅がしたくなった。

気をつけて帰ってこいよ。
旅の話で酒飲もう。