アルメニアの旅

アルメニアの旅

今朝はアルメニアに「旅」をした。

以前に毎朝オンライン英会話をしていて、なるべく行ったことのない国や地域の講師を選んでいるということを書いた。

今朝はアルメニア人の講師サラ。

画面越しのナラは独特のなまりがある同世代の白人女性。美しい顔立ち、穏やかな語り口、そして3人の孫がいるおばあちゃんでもある。

彼女によると、カリフォルニア州にはアルメニア人の移民が多く、グレンデールやパサデナはかなり多いそう。彼女の叔母や従兄弟もグレンデール在住。

「ネバダ州のアガシ(往年の名テニスプレイヤー)もアルメニア出身だね」とさっき予習した知識で返すと喜んでくれた。

旧ソ連のアルメニアは、みんなアルメニア語とロシア語が話せる。英語は半分くらい。どの家庭もアンテナをつけたらBBCやヨーロッパ中のニュースが入る。ふむふむ、そうなんだ。

軽いキャッチボールの後、ロシアのウクライナ侵攻について意見を求めた。

「きびしいインタビューね」と笑顔を浮かべCIS(独立国家共同体。旧ソ連の独立国12カ国で結成される国家連合)加盟国の複雑な立場を説明してくれた。

「ロシアとウクライナのどちらがいいとも悪いとも言えない。アルメニアは小さな国だからパワーがない。ロシアとの関係は良好だし、ロシアのサポートなしには生きていけない。隣国のアルゼバイジャンとの対立もロシアの仲介で収まっている。

これは私たちの戦争ではないし、この小さな国がどちらか一方についていいことは何ひとつない。中立の立場を保ち、ただこの戦争が終わってくれることを願っている。

(CISの国の間ではお互いのビザが必要ないから)アルメニアは多くのロシア人とウクライナ人を受け入れているの。彼らは争うこともなく、仲良く働き仲良くふつうに暮らしているわ」

彼女の話を聞いて考えが変わったわけではないけれど、それぞれ立っている位置によって正義や大義は変わるし、そもそも正義ってなんだろうと考えた。

彼女の言葉が今も頭の中をぐるぐる回っている。