親心子心

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3週間にわたる息子のライトハウスでのインターンシップが今日で終わった。

うちのメンバーにはずいぶん世話をかけた。というのは、想像こそしていたけど、実際のヤツのシゴトにふれてしみじみ思った。

昨日のランチタイム、息子がドジャースの歴史について翻訳したものをボクのところへ持ってきたのだけど(それも得意げに)、誤字脱字のオンパレードで、これ最初から訳した方が早いじゃん、というのが正直な感想。

オマエ、推敲して持ってこいよ。

そんな、みんなに面倒を見てもらい、かわいがってもらい、ちょっと甘かったかなとも思うインターンシップだった。本人は働くってたいへんなことなんだねと言うが、1/1000もわかってない。だけど今はふれるだけで良い。

そう、父子の関係には少し変化があった。

まず、3週間前よりふたりの会話が増えた。
それと、ちょっとだけ尊敬の態度がうかがえるようになった。
もひとつ、どうでもいいことで近づいてくる。これ見てとか、これ聴いてとか。例えば、ボクが泳ぐプールサイドでウクレレを弾いてくれたり。(誰かに聴かせたいだけか)

要は親離れしていく一方だった父子の距離がこの夏ちょっとだけ近くなった。

夕方、自宅の息子に電話すると、

「うん、おかげで日本語勉強になった」

「他には?自分でチカラをつけたってこと、勉強になったってこと、どんなことがある?

何がはるかの血肉になったと思う?」

「う〜ん、その話、パパが帰ってからにしよっか」

ってそれオレのセリフだろ。素っ気ない。

ちょっと娘の話。

娘のほうは昨晩帰ると、ひとりで留守番をしていた。
カミサンは息子の剣道の付き添いだ。

「おいしいサーモンが焼けてるよ」

プレートにボクのサーモンとゴハンをよそうと飛びついてきた。

今朝は、夜中の2時までメンバーに(幼稚園児が作ったみたいな)サンキューカードを書いてて、すっかり寝坊した息子におにぎりを作ってやっていた。娘はそういうヤツだ。

身内を褒めるのはバカだけど、娘はやさしい頑張り屋だし、息子もだらしないけど良いヤツだと思う。

彼らには健康で素直に育ってくれること以外望んでいない。というか感謝しかない。毎日おたがい元気なだけですごくありがたいもの。

ヤツらが小さい頃、高熱を出しては「命、私のとかえっこしてください。どうか助けてください」と神さまに祈った。それ以外のことで神さまに感謝をしてもお願いはしなかった。たぶん。きっと。

例え、不器用で(さらに勝手気ままで傲慢で)あっても、世の親が同じような思いで子育てをしたのだと思うと、許せないこととか、耐えられないことなんてないのかも知れない。いや、うちのことです。

子どもたちとの関係がありがたい一方で、両親とは、一本取られたり、気絶しそうな思い出の方が多かった。親子間のシーンを振り返ると画面が白黒になるからなあ。いや、今も続いてるけど。

たまに弟と飲むと、人に語れぬ親子系シビレ話に花が咲く。

よくグレないでマジメに育ったよなと40のおっさん同士肩をたたく。
そして最後は「だけど産んでくれたもんな」に行き着く。やっぱし「ありがとう」なのだ。