ネジを巻き直そう

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「来月の21日(土曜日)はサンノゼにたぶん泊まりで行くことになると思う」

「アナタその日って、Oさんの77歳のお祝いの日よ。参加するって言ってたじゃない」

「Oさんの誕生日は個人的にもお祝いできるけど、サンノゼの経営塾の結成式はその日なんだよ。オレもこっち(ロサンゼルス)の世話人だし、行ってみんなで盛り上げないと」

「アナタは先ばっかり見てるけど、お世話になってきた人との関係をもっと大切にしないと」

カミサンからあまりに図星の指摘に、一瞬憮然としてしまったけど、言われてみたらそのとおりで、近頃ボクは忙しさや仕事を理由に、お世話になった方や大切な人との関係を疎かにしている。

「そんなんわかっとる。こっちもいろいろあるんだよ」

受話器を置いた後、イヤな人間だなあと情けない気持ちになる。

そんな会話の後の今日のランチは、偶然にも、過去にお世話になったまま疎遠だったAさんとの数年ぶりの再会だった。それもこちらのお願いごとで。

「さんざんお世話になっていながら、不義理をしてしまって申し訳ありませんでした」

まず最初に非礼を詫びた。

「いいんだよ、チカラになれないことはチカラになれないけど、チカラになれることは応援するから」

しばらく見ないうちに、少し背中が小さくなってしまったAさんとの空白の数年間が悔やまれた。

詳細は書けぬが、疎遠になったキッカケを思い起こし、多少の損やリスクを取っても、人との絆こそ大切に守らなくてはならないとつくづく感じられた。

今朝のカミサンとのやり取りといい、少しボクはネジを巻き直さなくてはならない。

もっとていねいに生きよう。

Aさんを見送った後、気合いを入れるために男子便所を雑巾でピカピカに磨いた。

が、気合いが入り過ぎて、踏ん張った拍子にズボンの尻の縫い目が豪快に破れてしまった。

“パンツ丸見え”状態。

さっそくバチが当った。