胸の痞(つか)え

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昨夜はガーデナの「新撰組」で美味いモツ鍋をつつきながら、牛角USAの社長で友人の早川氏(写真)と痛飲した。
早川氏は世代も近く、毎月のようにソフトボールをやったり酒を飲む、良きライバルであり同志だ。役者張りのマスクがいただけないが、人の痛みのわかる大好きな仲間のひとりだ。
 
牛角は早川氏の強いリーダーシップのもと、現在全米8店舗、国際色豊かな300名近いスタッフが働いている。ビバリーヒルズやマンハッタン、そして今月オープンしたパサデナ店など、とりわけアンテナが敏感で口の肥えたアメリカ人に愛され、競争の激しい飲食業界で急成長を続けている。
 
高校時代はMTB(マウンテンバイク)の日本代表選手として世界選手権にも出場した早川氏の夢は、日本の焼肉をアメリカの文化として定着させること。それは牛角チェーンの全米制覇を意味する。
 
私の夢は、事業を通して、この南カリフォルニア20万人の日系社会が活性化拡大すること。それは、もっともっと日本の若者や企業が移り住み、日本人同士が助け合い結束する、韓国人や中国人に負けない強い日系コミュニティを創ることだ。
 
そしてそれと並行して、世界中の日本語メディアをネットワークして、世界主要都市のメディアが、日本に向けて情報発信することで、もっともっと日本の若者や企業が(時間とお金をセーブして)海外に進出して、世界中どこででも当たり前に日本人が活躍できる世の中「和僑」の礎(いしずえ)を創ることだ。
 
そんなお互いの夢の実現も、メンバー全員の日々の小さな努力、失敗と改善、泥臭い作業の積み重ねなくしてはありえなくて、99%は地味でタフな毎日の取組みだと思う。経営者や幹部社員は、夢や目標というポジティブな要素とともに、小さな綻(ほころ)びに敏感でなくてはならないし、失敗や無駄が改善されるよう、小さなことこそ大切にして、思いを伝え続けなくてはならない。
 
ライトハウスのメンバーは、生まれた環境は違えども、日本の文化と教育の中で育ってきたから、1を聞いたら10と言わずとも、5つ6つ悟ろうとするのが習慣であり当たり前のことだけど、早川氏の多国籍軍メンバーは多種多様な言語、文化、教育の中から集まってくるから、共通する常識というものがそれぞれまったく異なる。だから、1つのことを定着させるために、10,20の言葉を尽くさなくてはならないという。
 
酒が進むと、叱り過ぎたんじゃないか、本当は自分に非があったのではないか、取り返しのつかない言葉を吐いてしまった・・・、そんな胸の痞(つか)えを明かすこともある。会社でも家でも言えない、あるいは認めたくない、そんな情けない自分が晒せる仲間はそうそういないし、そういう存在がいることはありがたいことだと思う。