ハッピーエンドがいいや

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土曜日の夕方、娘は試験勉強、息子は遠足。映画でも見に行くかと、ちょっとお洒落をして、カミさんとロングビーチの小さな映画館まで「The Soloist」(*あらすじ)を観に行った。

音楽家を目指すも、挫折して心の病いを抱えたままホームレスになったナサニエル。彼が、ロサンゼルス・タイムスのコラムニストとの運命の出会いを通して、立派に社会復帰していく人間ドラマかと期待していたのに、主人公はトラウマに打ち克てなかったうえ、そのチャンスを懸命に与えようとしたコラムニストを、逆ギレしてぶん殴ったうえ、踏んづけてしまうという「現実は甘くない」ことを学ばせてくれる身も蓋もない物語(実話)だった。

たぶん、観客の誰もが、ナサニエルの更生を最後まで信じていたけど甘かった。

最後の方は諦めてたけど、ラストシーンは、ホームレスの施設で主要なキャストが納得顔で、シアワセそうに抱き合ったりダンスをする強引な終わり方だった。がーん。「それも選択、それも人生、そういう現実がある」ってことを伝えたいのだろうけどちっとも解決してねえじゃん。と、ちがう意味の涙がこぼれた。

身も心もすっかり重くなってしまって、なかなか立ち上がれない。

創り手に創造の自由があるように、観る側にも自由がある。
ボクはやっぱり現実が厳しい世の中なんだからこそ、それを克服して“みんなバンザイ”のわかりやすいハッピーエンドが好きだ。

ボクは帰りのドライブで映画を選んだカミさんを責めた。

本人、ケタケタ笑ってたけど。

*あらすじ

http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22310/