旅立ち

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今朝、息子がオレゴンへと旅立った。

自転車から帰った時には、息子はもう荷物を車に積み終え、家内の運転で空港に向かう時間が迫っていた。

「気をつけてな」

息子は黙って僕に近づいてきて、強くハグをした。

「ありがとうね」

僕の方は心のダムが決壊寸前で、何も言葉を返せなかった。

そして、窓から手を振り続ける息子が見えなくなるまで、ただただ見守った。

しばらくして振り返ると、ネットが破れるほど息子と遊んだバスケットボールのリングがぽつり。僕と同じようにどうしていいかわからずにいる。

僕は中学を卒業と同時に家を出た。

親の痛みがまた少し理解できた。