ちびっこインターン

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先週から、14歳になる息子の玄(はるか)がライトハウスでインターンに入っている(入れてもらっている、だな)。

大人が20人くらい働くフロアの一角、大きなデスクに小さな息子の頭がちょこん。

神妙な顔でPCの画面をにらんでいるので、隣からのぞくと画面は真っ白。

大丈夫だろうか。

夕食の食卓で語る、今日一日やったことの話は楽しそうで勇ましいのだけど。

部署は鎌塚の国際教育事業部で受入れてもらっている。

現在、来週到着する映画の専門学校生が現地ロケをするショートフィルムの翻訳に取り組んでいる。

が、家では脚本にカミサンが読みがなをふり、単語の意味を教え、筋を理解させて、会社ではプロの翻訳の社員が手を入れる。もう、まったくもって“お客さん”坊主なのだ。

来週は日本から到着する学生のロケに同行させてもらって、実際に自分が関わった(つもりの)脚本が、学生監督や役者さんたちによって現場で作り込まれていく様子に立ち会う。

そうそう、こんなこともあった。

水曜日の勉強会では、4、5人のグループに分かれてその日のテーマについて話し合い、指名されたメンバーがみんなの前で発表をするのだけど、息子のチームは代表者の竹部くんの発表の後、オマケで息子もみんなの前で発表の機会をもらった。

モゾモゾしてしゃべれないかと思いきや、本人なりに言葉を必死で探し、なんとか臆することもなくみんなの前で話すことができた。

発表を終えて、温かいメンバーからの拍手をもらった。息子は満面の笑顔。ボクはもう汗だく。倒れそう。

それにしても肝心の発表の中身は、その日のテーマとちっともかみ合わない内容だったので確かめたら、「グループで話し合っている内容がよくわからなかったから、ふだんパパがよく言っていることを話した」だって。いい加減なヤツ。

今朝は某スーパーマーケットチェーンの幹部や店長さんを前に、日系社会のマーケティングのレクチャーをさせていただく機会があったので息子を連れていった。

数字の話が多いので、退屈しないよう冗談も交えながら話すと、笑い顔の中にひとりだけムズカシイ顔をして聴く息子がいる。

そうでなくてもアメリカで生まれ育った息子には、言葉や社会、日本の文化を理解するのは容易(たやす)くないけど、瑞々しい感性をもつ人生のこの季節に、いろんな場面を通じて「働くこと」とか「父親の外の顔」を見せてやりたいと思っている。

レクチャーを終えると昼時だったので、担当の瀬尾くんと玄の3人で「さぬきの里」へ行った。

冷やしなめこうどんを食べるボク、コロッケうどんを食べる息子。

しばらくして、

「パパ、換えっこして」

今度はボクのうどんをうれしそうにすする。

9月から高校生なのにこんなんで大丈夫かいと心配にもなるけど、このテーブル越しの距離感にしばらく包まれていたいと思った。