自分から。

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 ロサンゼルスで情報誌を発行しているから、日本のメディアから情報提供や取材協力を頼まれることがある。

アメリカの魅力とか、日本人や日本の企業が頑張っている様子を伝えてくれるならうれしいけど、落としどころがすでに決まっていたりすると悲しくなる。


以前も報道番組の制作チームが「不動産バブル崩壊」をテーマに撮るため、破産した看板がいっぱい出ている「絵が欲しい」と(真顔で)頼んできたから「勘弁してください。話を捏造してまでアメリカの印象を悪くすることは止めてほしい」と訴えた。

民放はどうしてもコストや取材時間に制約がある。スポンサーの意向も無視できない。規模はちっちゃいけど、それはライトハウスも同じだからよくわかる。

だけど、規模の大小に関係なく、人様に情報を発信する仕事は責任が重いし、誠実でなくてはならないと思う。

正確な取材もせず、捏造した情報を流すのであればやってはいけない。まだ、ひと山いくらみたいな人を並べて雑談を流している方が罪は軽い。

ボクが日本で絶対に見ないようにしているものにワイドショーがある。週刊誌もなるべく見ない。あれらもいたずらに政策や企業の失態に批判をするばかりで罪が重い。(見ていて「気」も下がる)

ただ愚痴とか悪意に満ちていて、「国を良くしよう」とか、「痛みがともなうけど、国民がここは力を重ねて、若いヤツらに良い日本を残そう」といった信念も良識も見当たらない。ただの「文句」だ。

文句と言えば、毎度のように「消費税反対」が湧き上がるけど、税収より国債を発行する予算編成がいつまでも続いて良いんだろうか。父ちゃんの年収が400万円なのに、借金して900万円の生活する家庭はあまりないと思うのだけど。

一部の政党や鉢巻きのオバちゃんたちが怒ってコブシを突き上げるけど、日本の法人税の重さが企業の国際競争力をどれほど削ぎ落としているかわかっているのだろうか。

そういえば先週の日経新聞に「外国の航空会社に比べて日本は税金が3.5倍かかるから、全日空でいうと昨年は赤字だけど、同じ条件なら200億円の黒字が出せた」というような試算が出ていた。

これは一例だけど、これ以上企業の足を引っ張って、お父ちゃんや息子がリストラになってしまったら、サンマやティッシュが20円高くなるとか怒ってる場合じゃなくなってしまうんだけど。

話をマスコミに戻そう。

近年日本のテレビ業界が毎年のように売上を下げ、雑誌広告に至ってはわずか1年間で25%も売上を下げた(一昨年比)。不況や活字離れのせいばかりではなく、だんだんと国民の心が離れているのだと思う。

管内閣、8日に発足するけど、くれぐれもマスコミには足を引っ張らないでほしい。

「何してくれるかお手並み拝見」じゃなく、みんなが少しずつ欲と自己主張を減らして、国全体や若い人たちの未来のためにできることを一人ひとりがやらなくちゃ。政治からでもまわりからでもなくまず自分からだ。