届けたい言葉

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12月22日土曜日。

冬のニューヨーク、ボストン、シカゴの3都市を駆け足で回り、副社長の片山とふたり、ジェットブルー機でロングビーチに帰ってきた。

今月に入ってから年末進行に加えて、サンフランシスコ、サンディエゴ、今回の東海岸&中西部の出張が続き、さすがに指でついても倒れそうなくらい疲労困憊。瞬間冬眠に入れそう。

それでもまだ(出張で)手にしていないライトハウスの新年号の出来上がりが気になって、空港についた足でガーデナの飲食店に走りピックアップした。楽しみだったんだ。

ボクが言うのもナンだけど、新年号からロサンゼルス版、サンディエゴ版ともに編集面をしっかりパワーアップさせている。

まずは新連載3本も順調なスタートが切れた。

元ライトハウス編集スタッフで、独立後の現在ではロサンゼルス観光局や州観光局のPRを一手に引き受け、日本のメジャー誌でも大活躍の森真弓さんによる「気になるLA今月のピカピカ」では、話題のスポットが楽しく紹介されている。

やまだゆみこさんのマンガ&エッセイ「これでもか!LA」は、アメリカ生活の中で誰もが感じている(怒ってる)不便や矛盾が楽しく描かれていて思わず膝を打つ。

京セラ名誉会長の稲盛和夫氏の講話を抜粋してスタートした「盛和塾」コーナーは、海外の経営者や管理職の方たちの日常の経営にぜひ役立てていただきたいと願っている。

特集記事の「南カリフォルニア年間パスガイド」は来年一年間の楽しみを先取りしたい年間パスの情報。編集長の川嶋くんを中心に練りに練った新年企画の第一弾だ。「元取り目安回数」も参考になると思う。家庭や会社で保存してもらえたらうれしいのだけど。

「有名人インタビュー」の王貞治さんへの取材では、あんなに偉大な方なのに、威張った様子は微塵もなく、むしろ緊張させないようにやさしくメンバーに気配りをしてくださったそうだ。ライトハウスを手にした写真がボツになったのが悔やまれる。

毎年恒例のアメリカンドリーマーの取材記事(正月号、1月16日号)は、今年から全米に取材範囲を広げ、ハワイ、ボストン、ニューヨークからも登場いただいている。

ロサンゼルスを起点に躍進をする「Sushi KATSU-YA」のオーナシェフの上地勝也さんの「自分のやりたいことを目標に持ったら諦めない。絶対に最後まで諦めない。諦めたらその目標が達成できなくなります。諦めずに努力を続けていれば、どんなことも達成できます。何度挫折しても諦めない限りは、何事もいつか必ず実現すると信じています」というメッセージに、図らずもラーメンをすすりながらついボロボロと泣いてしまった。自分ちの誌面で泣くなよ。

だけどこれなんだ。

ボクがライトハウスを通して実現したいことのひとつは、この異国に地で実際に挫折を乗り越えて頑張っているヒトたちの言葉を通して、ここに暮らすヒトが「勇気」や「元気」を持って、目の前の試練や夢に正面から向き合い、ひとりひとりがそれぞれのアメリカンドリームを実現することだ。

異国の地で身を立てていくことは生易しいことではない。並大抵のことではないけど、今ここに生きるボクたちは先人たちが道をつけてくれたように次世代に道を拓く使命があると思う。自分だけのための人生ではない。

もうひとりのアメリカンドリーマー石井裕さん(マサチューセッツ工科大学教授)の言葉も借りよう。

「私は研究の最終目標を2200年と決めたので、私自身が結果を見ることはできません。だから、一分一秒が惜しい。自分の肉体はいつか滅びます。自分の思想や飢餓感を受け継いでくれる次世代の学生を教育していきたい。そして、彼らに次の世代を作ってほしいということが、やはり人生の最終的な目標になるのではないかと思いますね。

自分が死んだ後に何が残せるか。100年後、200年後、世の中が変わっても、自分の存在が残るようなことをしていきたい。若い人たちには、そういったことを考えていってほしいですね。

今、アメリカという国にいて、本当に世の中に貢献するためのアイデアと情熱があれば道は開けます。ここはそういう国なのです。

日本に帰ることも一つの選択肢かも知れない。だけど世界に挑戦することを恐れないでほしい」

創刊20年目になる2008年。

読者の魂を揺さぶるような誌面を作りたい。

読者のハートが火柱をあげるような言葉を発掘したい。

ひとりでも多くの方にそんな言葉を届けたい。

2008年のライトハウスにご期待ください。