豊かな日々

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7月28日。パロスバーデスは、霧に包まれた日曜日の朝。

自転車は昨日30マイル(50キロ)走ったので、今朝はタケちゃんと軽めに走る。

朝ゴハンは、日刊サンを眺めながら焼きそばと缶ビールでまったり。午後のゴルフに備えて、これから朝寝するのだ。

昨夜は、ブルーノ・マーズのコンサートを、ステイプルズセンターの天井に近い席で鑑賞した。

気恥ずかしくって、若者みたいに踊ったり跳ねたりはできなかったけど、豊かで伸びのある声量と馴染みのメロディに時を忘れて楽しんだ。

やっぱりライブはいい。

そういえば、この間のヨーヨー・マのコンサートも素晴らしかったけど、ステージから近くってラッキーと思ったら、最後まで背中を眺める席だったなあ。。

このロサンゼルス(と、ラスベガスの連合軍)は、世界的に見ても、良質なエンターテイメントに触れる環境に恵まれた素晴らしい都市だ。

僕が昭和40年から50年代にかけて生まれ育った四国の高松は、アーティストのコンサートがいつも素通りで、テレビ岡山のイベント情報で、有名なミュージシャンのコンサートがあるのを、羨ましく眺めては、瀬戸内海の向こう側を想った。

プロ野球も、公式戦ではなくオープン戦くらいしか来なくって、それも南海とかロッテとか、セリーグもせいぜい広島とかの地味なカードが、年に1回あるくらいだった。

そんな当時、四国のテレビは巨人戦しか放映されないから、男の子はみんな巨人の帽子を被っていた。変わり者や転校生が、阪神か、稀に中日の帽子を被っていたくらいだ。

だから、南海—ロッテとかのカードも、スタンドは巨人の帽子ばかりが目立つ不思議な光景だった。

昭和50年くらいか。高松で一番の繁華街のトキワ街に、マクドナルドがオープンした。

噂を聞いて、悪ガキどもと自転車で徒党を組んで眺めにいった。

店内には入らず、店の外からハンバーガーやフィレオフィッシュのディスプレイを眺めて、どんなに美味しいものか想像して胸を膨らませた。

手に入らないものばかりだったけど、あの頃も毎日豊かだった気がする。